貴重なアイテムは、できればより多く手に入れたいもの。しかし、数が多ければいいとも限りません。HD-2D版『ドラクエ3』における「さとりのしょ」の入手個数を巡り、喜びの声から意外な意見まで、多彩なコメントが飛び交いました。



ファミコン版『ドラクエ』で確実に入手できる「さとりのしょ」はひとつだけ。当時は非常に貴重なアイテムだった。

【画像】賢者もゾッコン? こちらが可愛すぎな『ドラクエ』ビアンカのコスプレです(9枚)

リメイクを重ねて増えていく「さとりのしょ」の確定入手個数

 1988年2月10日に発売され、社会現象を引き起こすほどの人気と注目を集めたファミコンソフト『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。この名作が来る2024年11月14日に、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』として、この令和に蘇ります。

 このHD-2D版は、ドット絵とCGを組み合わせた描写で世界を新たに描いただけでなく、新職業の「まもの使い」や、プレイヤーが集めたモンスターが戦いに挑む「モンスター・バトルロード」など、さまざまな新要素も追加されています。

 また、プレイに直結する要素も調整されており、そのひとつが「さとりのしょ」の入手個数です。「さとりのしょ」は、キャラクターを「賢者」に転職させるのに必要なアイテムで、パーティ構成を考えるうえで非常に重要なアイテムです。

「さとりのしょ」の入手個数が、なぜ話題に?

 賢者は、「魔法使い」と「僧侶」の呪文を全て覚える魔法のスペシャリストです。非常に有用な存在なので、この賢者になれる「さとりのしょ」も同じく重要なアイテムとして広く知られています。

 この「さとりのしょ」は、ファミコン版『ドラクエ3』だと確定で手に入るのはひとつだけ。特定のモンスターが低確率で落とすものの、狙って入手するのは難しく、多くのプレイヤーはひとつの「さとりのしょ」でやりくりしていました。

 後に出たリメイク版では、確定入手がふたつに増えたうえ、運が良ければ「すごろく場」でも手に入るようになりました。しかし、スマホ版や現行機版では「すごろく場」がなくなった関係で、確定入手のふたつのみになりました。ちなみに、どちらもモンスターからのドロップはなくなっています。

 過去作での確定入手は、ひとつあるいはふたつに留まっていた「さとりのしょ」ですが、11月14日発売のHD-2D版では、確定入手が3つに増加。この調整により、パーティ編成や育成計画に影響を与えるものと思われ、往年のファンを中心に「3つ手に入る『さとりのしょ』」がX(旧:Twitter)などで大きな話題となりました。

確定入手の増加に喜びの声

「さとりのしょ」の入手個数が増加するという情報が広まると、「ありがてえ!」「太っ腹な気がする」といった喜びの声が湧き上がります。また、「(モンスターから)掘らなくていいの!?」「リメイクされるたび(確実に)手に入れられる数が増えていく」と、その調整に反応するコメントも飛び交いました。

 3つという数字から「さとりのしょを3つもらえたら(勇者以外)全部賢者にできる」や、「今回さとりのしょ3つもあるらしいけど、そういうチームで挑むクエストとかもあるのかな?」と、ゲームとの関わりに思いを馳せた人も少なくありません。

 さらに、「さとりのしょ、残りふたつはどこに……」「上の世界でもうひとつ追加されれればうれしいなぁと思います!」と、入手できる場所を気にする人も。手に入るタイミングで育成計画も変わってくるため、気になるのも当然でしょう。



「賢者」のグラフィックに惹かれて転職するプレイヤーもいた。(C)1988 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

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なぜ? 入手数の増加に懸念の声も

「遊び人」のメリット減少に不安の声も

 こうした喜びの声が多いのは確かですが、捉え方は人の数だけあるもの。疑問に感じる人や、異なる意見を持つ人もいます。

 3つという数を多過ぎると感じる人もおり、「賢者ふたりいれば十分なのに」と、戦力的に不足していないと指摘する声も。また、「3つもいらんやろ。遊び人(のレベルを)20にするのなんて大した手間でもないし」のように、別の手段があるから3つもいらないと考える人もいました。

 賢者へ転職する場合、唯一「遊び人」のみが「さとりのしょ」を必要としません。そのため、過去作では「さとりのしょ」の入手数以上に賢者が欲しい場合、「遊び人」を育て、レベル条件をクリアして「賢者」に転職するのがポピュラーな手段でした。

 つまり「遊び人」には、「さとりのしょ」不要で「賢者」になれるというメリットがあったともいえます。しかし、HD-2D版では「さとりのしょ」が3つも手に入るため、「遊び人の価値、なくなってない?」「さとりのしょが3つもあると、遊び人の人権が……」といった懸念の声も挙がりました。

 一方で、「『遊び人』で始めるとうんのよさが高く育って、状態異常にちょっとだけ強くなるんだよね。『賢者』にするなら『遊び人』を経由したい」と、「遊び人」の価値を別の部分に見出している人もおり、受け取り方は千差万別です。

「公式ガイドブック」の特典にもなり、意見が飛び交う

 ちなみに、12月16日発売予定の書籍『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 公式ガイドブック』に、「さとりのしょ」のデジタルコードが特典として付属します。この点についても、ネット上でさまざまな意見が飛び交いました。

「まぁ買うわな」「期間限定とかなら、早めに買わないとな」といった購入意欲を示す声もあれば、「そこまで大事なアイテムを特典で付けちゃうのはちょっとな……」「特典アイテムとして配っていい物ではない気が……」と、懸念する意見もあり、ゲームファンの間でも意見が分かれています。

 また、「装備とかじゃなくて『さとりのしょ』ってのが、滅茶苦茶ドラクエしてて良い」「初見のプレイヤー向けの特典かな。知ってる人からしたら要らないだろうしね」「(公式ガイドブックの)発売が遅くて納得。1か月あれば賢者は作れる」など、自分なりの視点で理解を示した人もいました。

* * *

『ドラクエ3』プレイヤーであれば、「さとりのしょ」の重要性は誰もが知っているもの。確定入手の個数が変わり、肯定派から懸念派まで多彩な意見が出てくるのも、ごく自然な話です。

 入手個数の変更が、ゲーム体験にどのような影響を及ぼすのか。その変化も含め、HD-2D版『ドラクエ3』の発売日が待ち遠しいばかりです。

ファミコン版『ドラゴンクエスト』:
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