ローソンが“勝手に”当たってきた? コラピント、結果ベースの10秒ペナに疑問「スチュワードは出来事の結末を見るべきじゃない」

 ウイリアムズのフランコ・コラピントは、F1メキシコシティGP決勝でRBのリアム・ローソンと接触。これを受けてスチュワードは10秒のタイム加算ペナルティをコラピントに科したが、この裁定に当の本人は納得がいっていないようだ。

 コラピントはレース終盤、長いホームストレート終わりのターン1でアウト側からローソンをオーバーテイクしようと試みたが、続くターン2の切り返しで右リヤタイヤがローソンのフロントウイングに接触。ローソンはダメージによりピットインを余儀なくされた。

 ホワイトラインぎりぎりでの攻防となり、ローソンは「激しくディフェンスしていた」とスチュワードに判断されたものの、「コラピントがコース上に残るのに十分なスペースを残していた」という。

 スチュワードは両ドライバーが続くターン2に向けて走行ラインで“妥協”しており、「コラピントはより妥協していた」という。しかしコラピントがターン2でスロットルを踏み続けていたことから、この接触はコラピントに非があると判断された。

 この裁定について見解を求められたコラピントは、F1ポストレースショーで次のように語った。

「完全には同意できないよ。オースティンでランド(ノリス/マクラーレン)とマックス(フェルスタッペン/レッドブル)に起きたことと似ていると思う」

「イン側にいたドライバーがコース外へ押し出すようなものだ。僕はエイペックスで若干前にいたと思う。それで彼が最後の最後でブレーキングしてアウトにはらみ、僕を押しやった。それで彼は勝手にフロントウイングを壊したんだ」

 また、自身がペナルティを受けた理由について、コラピントは次のように推測した。

「リアムがフロントウイングを壊してしまったことと関係があると思う。それは僕の責任じゃないし、彼らは結末をより重視していた。だから僕はペナルティを受けた」

「スチュワードは、ちょっとした出来事の後に起こった結末を見るべきじゃないと思う」

 一方ローソンはコラピントとは異なり、どちらのせいでもないレーシングインシデントだったとSky Sports F1に説明した。

「ターン2で彼にスペースを与え、彼は僕が予想しているよりも速いスピードで来た」

「僕はそこから抜け出そうとしていたけど、彼のリヤタイヤに引っかかってしまった。彼のせいでもなく、ただ不運なアクシデントだったと思う」

 コラピントはメキシコシティGPを12番手で終えたが、アルピーヌのエステバン・オコンがペナルティで大きく後退したため、10秒タイム加算もこのポジションをキープ。ローソンはピットでのウイング交換を経て16位フィニッシュとなった。

 アメリカGPではノリスがフェルスタッペンとの表彰台争いの中で5秒ペナルティを受け、続くメキシコシティGPでは逆にフェルスタッペンがノリスとの2番手争いの中で10秒ペナルティを受けるなど、オーバーテイクとディフェンスをめぐるガイドラインの見直しが求められている。

 シーズン終盤に向けてドライバーはFIAとガイドラインについて協議を重ね、カタールGPとアブダビGPでは交戦規定にも修正が加えられるかもしれない。

 話題のガイドラインについてコラピントは、こう語った。

「文句を言うようなことじゃない」

「このようなペナルティを受けないために、ドライバーたちは自分たちに何ができるかを理解する必要があると思う。イン側にいるドライバーに有利なペナルティで、アウト側にいるドライバーが何かするには十分なスペースがない時もある」

「僕らドライバーはみんな、ペナルティが絶え間なく続くことのないよう、そのことをより理解しなければならない」