奥田民生が、去年から節酒をはじめた理由…それでもタバコは還暦になっても続けるというが

奥田民生にとっての還暦とは

──続いて第5章「メンタル」に、47歳と58歳のときにサッポロの「大人エレベーター」のCMに出演した話が出てきます。妻夫木聡に「調子の悪いときは?」と質問されて、民生さんは47歳のときは「なんとかする」と答えていて、58歳のときは「我慢する」と年齢によって違う答えをしている。

それをまわりが許してくれる年齢になっているってことでしょうね。その「我慢する」っていうのは、「そのままにしている」っていうことなんだよね。「放置する」というか、調子の悪さを改善するために、「なんとかする」ことをしてない、っていうことだよね(笑)。

自分でなんとかしていい方向に持って行って、ホッとしたい、というのが47歳のとき。58歳のときは、その力がないから、その調子の悪さを食らったまま我慢して、「早く終わってくれ」っていう感じになってるのね。

それは、もうそんな年だから、そうなってもいいんじゃないの? っていう空気があるからじゃないですかね。自分にも、まわりにも。もう、なんか食らったときに、跳ね返せないんですよ。食らったままになってるわけ。で、時が経ったら、なんかいつの間にか治ってました、みたいな日々ですよ(笑)。

──なかなかしんどそうな日々ですが。

いや、そんなことないよ。要するに、食らってる間は、若い頃ならそんな状況に耐えきれないわけよ。それが、年を取るといろんな経験もあって、「うわ、食らった。でもこれ、前にもあったかも」とか言っているうちに、じわじわ~ってなじんでいくという。そういうことです。還暦っていうのは、そういうことが許される年なのかな、と。今回の本もそういう本です。

取材・文/兵庫慎司 撮影/濱田紘輔

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59-60 奥田民生の仕事 友達 遊びと金 健康 メンタル

奥田民生

2024/10/191,760円(税込)224ページISBN: 978-4478119457

◎Amazon総合第1位!(2024年8月20日)
◎奥田民生ソロ30周年記念企画
◎10年ぶり、待望の新刊!
◎奥田民生がおくる”働くすべての人”に刺さる本
◎「仕事」「友達」「遊びと金」「健康」「メンタル」……5つのテーマを奥田民生が語り尽くす

仕事はどこを目指すべきか? 20代、30代、40代、50代でやるべきことは? 他人の目が気になったら? 親友は必要か? クヨクヨしたらどうするか? 大人の男の酒の飲み方 いくら稼げば幸せか? 人はなぜ生きるのか?

(目次)
第1章 仕事
 仕事なんて「8位」くらいがちょうどいい
 発想に「マーケティング」はいらない
 「運」がいい人がしていること
 20代、30代、40代、50代でやるべきこと

第2章 友達
 「親友」なんていなくていい
 「仕事仲間」は友達か?
 友達関係に「勝ち組」「負け組」を持ち込まない
 「ケンカしたあと仲良くなる」は本当か?

第3章 遊びと金
 ゴルフで自分の「心」を試す
 服は「いいものを少し」がいい
 「ひとりBARデビュー」のすすめ
 人はいくら稼げば幸せか?

第4章 健康
 覚えられないことは忘れていいこと
 奥田民生の食生活
 「酒」は必ず割って飲め

第5章 メンタル
 「体力」より「気力」が大事
 「できたらラッキー」くらいがちょうどいい
 いくつになってもクヨクヨしていい
 民生流「飽き」との付き合い方
 人には運気の波がある
(など)