「2200万円の支払いを命じる判決が出たがまだ1円も返ってきていない」
“井田”は、金を借りたあとの“アフターフォロー”も抜かりなかったという。Aさんはこう話す。
「金を貸した後、井田は『助けてくれてありがとう。結婚したい』などとLINEしてきたり、下着姿の写真を送ってきたりしたこともあります。でもいくら返済を迫っても一度も金が返ってきたことはありません」
LINEでの会話はほとんど金の話だったというAさん。騙されていると感じることはなかったのだろうか。
「正直、騙されていると思っていましたよ。でも自分しか助けられないような気持ちになってしまったんですよね。騙されていると思いつつも、金を貸していた部分もあります。井田に貸した金額は全部合わせて約2400万円になります。被害者のなかでも私は被害額が大きいほうだと思います。
私は弁護士を雇って、井田を相手取り、2400万円を返してもらうべく民事訴訟を起こしました。もちろん、井田は一度も出廷しませんでした。昨年、井田に約2200万円の支払いを命じる判決が出ました。ですが、まだ1円も返ってきていません」(Aさん)
Aさんが訴えた“井田”の顔や住所は今回逮捕された井田容疑者と同じであり、同一人物である可能性が高い。Aさんは、民事での裁判だけでなく、千葉県警市原警察署にも被害について相談をしているという。
「10年、20年かけてでも、毎月少しずつでいいから、井田には金を返してほしいと思っています」(Aさん)
10月下旬、井田容疑者の実家を訪ねると、親族の男性がタメ息をつきこう話した。
「もうずっと会っていないし、本当に迷惑しているんだ。縁を切りたいといえばそうだけど家族だからできない。でもずっと会っていないんだ。しずくが逮捕されたことは先日、警察から連絡があったよ。本当に申し訳ない。何してるんだかわかんないよ」
警視庁は井田容疑者には“共犯”がいるとみて慎重に捜査しているという。被害者が多くいるとみられる、第二の頂き女子・井田容疑者の犯行。全容解明が待たれる。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班