【MotoGP】「ロッシから代役オファーがあって即答だった」イアンノーネ、MotoGP5年ぶり復帰の経緯明かす。目標は“楽しむ”コト

 アンドレア・イアンノーネはMotoGP第19戦マレーシアGPで、5年ぶりにMotoGPのレースシーンへ復帰する。彼はVR46での代役参戦の機会に興奮しており、バレンティーノ・ロッシの誘いには即答だったと語っている。

 イアンノーネはMotoGPライダーとして2016年にはドゥカティで優勝もマークする活躍を見せたが、2019年のマレーシアGPでドーピング疑惑が発覚。それによって最終的に4年間の追放処分を受けることになってしまった。

 そんなイアンノーネは2024年から競技シーンへ復帰しWSBKに参戦していたが、VR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオが怪我の手術でラスト2戦欠場が決まったことで、代役ながらもMotoGPへの復帰が叶うこととなった。

 マレーシアGPの木曜日、彼は今の気持ちを率直にこう語った。

「ほんとにワクワクしてるよ。それが普通だろ? 正直に言って、パドックの皆からこんなに歓迎されるとは思っていなかったから、とても印象的なんだ。ここにいられて本当にハッピーだ」

 そしてイアンノーネは5年ぶりのMotoGPへの参戦に向けては、楽しむこと以外に大きな目標は設定していないようだ。

「正直、何を期待すべきかは分からないよ。長い間(MotoGPの)バイクには乗っていないし、時間がかかる」

「バイクだってかなり変わっている。でも絶対なんてことはないからね。幸運にも最初からフィーリング良く始められれば、終末を楽しむことも可能だと思う」

「でも正直、目標はないよ。僕は間違いなくとても乗るのが楽しい最もパワフルなバイクを乗るためにここにいるからだ」

 なおイアンノーネは今回の代役参戦での復帰が、MotoGPへのレギュラー参戦復帰へ繋がるものではないとも語った。

 また今回のVR46からの代役参戦においては、オーナーのバレンティーノ・ロッシから直接連絡があり、即答で代役オファーを受けたという。

「WSBKの最終戦のためにヘレス行きの飛行機に乗っていたんだ。そして着いてから携帯を見ると、ヴァレから『電話したんだけど電源が切れてるみたいだ! これを見たら折り返してくれ。大事な、マジで大事なことだから!』とメッセージが入っていたんだ」

「大事な話みたいだから電話したら、彼は『アンドレア、もし君がディッジャ(ジャンアントニオの愛称)の代役としてラスト2戦でMotoGPに戻って来てくれたら最高だと思うんだ』と言ってくれた。正直、彼は僕が答えに躊躇すると思っていたんだと思うけど、僕はイエスと即答だったよ。疑いようのないものだった」

 なおイアンノーネにはジャーナリストを介し、かつて共にMotoGPで争ったカル・クラッチローから、ドーピング疑惑の原因となったという汚染された肉を食べたステーキレストランには行ったのかという質問も投げかけられた。これについてイアンノーネは、「いやいや、カルが料理してくれるのを待つよ(笑)」と答えた。

 そしてイアンノーネは制裁を受けた厳しい時期を通じて、人生の教訓を得たと語った。

「人生では決して諦めてはいけないし、ある瞬間に全てが変わる可能性がある。それが、僕が受け取った最大の教訓だ」

「僕の強さは、笑顔を決して失わないことだと思う。僕は幸運だと思うけど、それは人生に対するエネルギーを欠かしていないことがとても重要なんだ。そして結局は、僕を最悪の瞬間でもサポートしてくれるたくさんの人がいるんだ。僕は自分の人生を続けることが大事だと思っているし、最善を尽くして生きることが、とても重要だと思う。皆本当にありがとう!」