今週末に開催されるMotoGPマレーシアGPに向けたプレスデーは、ライダーたちが豪雨による洪水被害に見舞われたバレンシアと被災した人々へのサポートを表明する最初の機会となった。
バレンシアはMotoGP最終戦の開催地としておなじみだが、2週間後の開催を前に記録的な豪雨に見舞われた。リカルド・トルモ・サーキット自体は洪水による大きな被害を受けていないようだが、少なくともアクセス道路のひとつに大きな被害が出ている。また現在、サーキットは被災者の救急センターとして使用されている。
現在MotoGPには10人のスペイン人ライダーが参戦しており、母国で起きた被害に心を痛めている。グレシーニのマルク・マルケスは、「倫理的にはバレンシアGPはキャンセルすべき」だとコメントしているが、motorsport.comは他のスペインライダーのコメントを集めた。
■ペドロ・アコスタ(GASGAS)
「今、バレンシアGP開催のことは最も気をかけるべきことではない。僕たちはみんな、画像を見た。災害だ。これは非常に深刻な問題だ」
「MotoGPで何が起こるか、今後どうなるかは気にしていられない。企業や家族、そして苦しんでいるすべての人たちに多くの力を与えたい。当初サーキットの画像だけを見たから、道路が壊れているのは分かったけど、その後起きていることをすべて目にした。とても大きな災害であり、グランプリのことなんて後回しだ」
■アレックス・リンス(ヤマハ)
「壊滅的なニュースだ。僕自身の意見として言えるのは、僕たちが目の当たりにした被災した人々の家よりも、サーキットにつながる道路の修復に重点を置くのは間違っているということだ。僕の考えでは、サーキットへのアクセスを修復する前に、人間的な側面に目を向け、被災者を助けるべきだと思う。でも、彼ら(MotoGP)が何をするつもりなのかはわからないよ」
■アレックス・マルケス(グレシーニ)
「レースが行なわれるかどうかについて、パドックでは多くの憶測が飛び交っている。サーキットの入り口を修理するかどうかにすべての努力を集中させることはできない」
「家を失った人たちがいて、行方不明の親族を探している人たちがいて、80人か100人の死者が出ていると思う。現実的に考えて、1週間半後にそこで世界選手権が開催されるとは思えない」
■アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)
「バレンシアの映像は通常、地球上の他の地域のテレビで見るもので、こんなに間近で感じることはない。胸が張り裂けそうになるし、ビデオを見るのを止められない。でも現地の友人たちが僕に電話をしてきたように、最悪なのはテレビで見たことを他人事にすることだ。大変な事態なんだ。問題は、僕たちがどう手助けできるかということだ。その意味で、僕はできる限りのことをするつもりだが、どうすればいいかを理解しなければならないのは確かだ」
「『最良』の判断はない。何をすべきかを決めるのはとてもとても複雑だ。チャンピオンシップがどう考えるかという問題ではなく、国の政府が完全な緊急事態の中で下さなければならない決断なのだ。バレンシアに行くことは非常に複雑だと思うし、可能性がほとんどないのであれば、ドルナとライダー、みんなの間で、バレンシアのコミュニティのために、彼らが復旧することができるような足し算の方法を見つけて欲しい」
「バレンシアに行けないのなら、このチャンピオンシップはプランBを見つけるのに十分な規模を持っているはずだ。ふたりのライダーがタイトルを争っているのだから、代替開催地を見つけることができるとナイスだ」
「僕にアイデアは出せないけど、ミサノでの3戦目はないようお願いしたい。バルセロナはチャンピオンシップへの影響が最も少ないレースだと思う。カタールもいい選択肢だ。でも、MotoGPのレースをオーガナイズするのはとても複雑だと思う。今年はカレンダーが非常に難しくなっているからね。これは緊急事態だから、僕たちは何が起ころうと適応していくつもりだ」
■マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)
「僕たちはバレンシアのことで頭を抱えている。ファミリーが破壊され、家もなくなる。この大惨事に見舞われたすべての人々を助けることが最優先事項だと思う。パドックにはバレンシア出身者がたくさんいる。バレンシアは、僕たちが子供の頃から非常に縁の深い場所だった。とても難しい瞬間で、とても身近に感じている。スペインと僕たちは手を取り合って助け合わなければならない」
■ラウル・フェルナンデス(トラックハウス)
「僕たちは地球の反対側にいて、パドック全体が何が起こったのかを理解し、最大限の支援を送ろうとしている。まず第一に、人々の命、家、家族、それが最も重要なことだ。甚大な被害を受けた地域全体にあらゆる支援を送ること。それが何よりも優先だ」
■ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)
「たった数時間ですべてが崩壊してしまった。残念だ。被害に遭われたご家族、亡くなられた方、行方不明の方に僕は心からのサポートを送りたい。とても危機的な状況だ」
「今、最も重要なことは、被災された方々にあらゆるサポートと力を送ることであり、できる限りの支援をすることだ。遠く離れたところからどんな支援ができるかわからないが、社会的なレベルではすべての支援を送りたい」
「MotoGPがどんな判断を下すか見てみよう。僕が何かを決めることではないんだ」