プロ野球・日本シリーズ(DeNA対ソフトバンク)において、主催する日本プロ野球機構(NPB)がフジテレビから第1、2戦(10月26、27日)の取材証(パス)を没収したことが波紋を呼んでいる。

 毎日新聞が10月30日付で報じたもので、スポーツ紙の取材にはNPB側が「取材パスについての質問は一切、お答えしない」とコメントすれば、フジテレビ側も「制作の詳細についてはお話しできない」としている。

NPBフジテレビへ断固抗議したのは、26日、日本シリーズ第1戦をTBSが生中継していた裏で、ワールドシリーズ(ドジャース対ヤンキース)のダイジェストを放送したことらしい。野球人気は健在ですが、NPBでは日本シリーズの地上波放送契約を巡って毎年苦労している。セ・リーグではクライマックスシリーズ(CS)で巨人が敗退したことで予定していた日本テレビが撤退し、急遽、TBSでの放送が決まるというドタバタがあったばかり。どの局も諸手を挙げて日本シリーズを放送したいという状況ではないなか、フジが中継の裏でメジャーのダイジェストをぶつけたことは、確かに邪魔をしているように捉えられても仕方がない」(夕刊紙記者)

 フジテレビはワールドシリーズ全試合を生中継していたが、

「毎年、民放各局がMLBダイジェストの放映権をそれぞれ購入していますが、その“オマケ”として、ワールドシリーズの地上波放映権がついていて、廉価で獲得できた。フジは本当にたまたま放映することができたという経緯があります。ただ、せっかく手に入れたお宝コンテンツだけに、擦り切れるまで使い倒したかったのでしょう」(民放局関係者)

 そもそも大谷翔平がワールドシリーズに出場していなければ、このような騒動は起こらなかっただろう。

小田龍司

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