黒木華、草笛光子からの手紙に感激!映画『アイミタガイ』舞台挨拶で「ここを目指すべき」と尊敬の念を明かす

映画『アイミタガイ』(公開中)の公開記念舞台挨拶が11月2日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、黒木華、中村蒼、藤間爽子、風吹ジュン、草野翔吾監督が登壇した。


【写真を見る】恋人役を演じた黒木華&中村蒼。初共演ながら「安心感があった」と顔を見合わせていた
中條ていの同名小説を映画化。ウェディングプランナーとして働く梓のもとに、ある日突然届いたのは、親友の叶海が不慮の事故で命を落としたという知らせ。交際相手の澄人との結婚にも踏みだせず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、日々の何気ないメッセージを変わらず送り続ける梓。なぜ彼女は、返事が来ないとわかりながら、亡くなった親友にメッセージを送り続けたのか?


主題歌も担当した主演の黒木華
本作で主題歌も担当した黒木が梓役を、梓の恋人の澄人役を中村が、梓の亡き親友の叶海役を藤間が、梓の祖母を風吹が演じている。『台風家族』(19)の市井昌秀監督が脚本の骨組みを作り、2020年に他界した佐々部清監督が温めていた企画をもとに、草野監督がメガホンをとり、親友を失った梓を中心に思いがけない出会いが連鎖していく様子を描きだす。


黒木演じる梓の恋人、澄人役の中村蒼
イベントには、観客の反響コメントが敷き詰められたバックパネルが設置された。直接反響を見る機会はなかなか少ないので、うれしい!と声を揃えた登壇者たち。黒木は「親友に会いたくなったとか、前向きになれる映画という反響をいただいています」と触れ、笑みを浮かべる。「友達がいないので(映画への)反響をもらいたくてももらえない」と笑わせた中村は、「SNSなどで発信されている感想を見ているとうれしい」と充実感を滲ませた。


梓の親友、叶海役の藤間爽子
ロケ地である桑名へのコメントがうれしいと語った藤間は「東京から撮影場所に通うのもうれしいけれど、ホテルに滞在して、(桑名の)空気に助けられることが多かったです」と撮影を振り返る。感想コメントを見ると映画が届いている「層の厚さを感じる」と微笑んだ風吹は、「ロケ地もとってもすてきだったし、撮影環境がよかったので楽しい現場でした」とニッコリ。続けて「監督のおかげです!」と草野監督にお礼を伝える場面もあった。


梓の祖母、役の風吹ジュン
市井監督、佐々部監督から受け継ぐ形で本作の監督を務めたことについて「不思議な縁で巡ってきた脚本。脚本を褒めていただけるのはすごくうれしいです」と、バックパネルのコメントを見つめながら笑顔を見せていた。

映画のおすすめポイントについて、黒木は「中学時代を演じた2人(近藤華、白鳥玉季)のみずみずしさがすごく好き。現代の(梓と叶海)の時間を埋めてくれています」と若い2人の芝居を絶賛。中村は終盤に登場する黒木との共演シーン(梓が澄人のほうへ背中から倒れるシーン)に触れ、心のなかではソワソワしていたとし、「いかに平常心を保とうかと、緊張しながらやっていました」と照れた様子で告白。藤間は主題歌を担当した黒木の歌声をおすすめ。草野監督はレコーディングを振り返り、「叶海に語りかけるように歌ってほしいとお願いしました。映画の最後にぎゅっと心を掴んでくれる歌になっています。作業的にも最後のほうに行ったので、とても思い出深いです」とすてきな思い出になっているとしみじみしていた。


市井昌秀、佐々部清監督から受け継いでメガホンをとった草野翔吾監督
風吹は黒木と中村の掛け合いを挙げ、「声がなんとも優しい。蒼くんがとても優しい。演技じゃないんじゃないかってくらいすてき」と大絶賛。さらに、中学時代梓と叶海を演じた近藤と白鳥についても「この歳になってもときめいた。本当によくできている映画だと思います」とアピールし、大きな拍手を浴びていた。


風吹とは共演の機会が多く「とても安心して委ねられる」とのこと
イベント終盤には、共演の草笛光子からサプライズの手紙も到着。「現場でアイデアを出し、映画をよりよくしようという姿勢がすばらしい。見習わなければいけないと。それでいて楽しんでいるし、作品にいる姿は愛おしい。ここを目指すべきなんだって思います」と草笛への想いを語った黒木。藤間は「現場では誰よりもパワフル。疲れたとか言っちゃいけないなって気持ちになります(笑)。以前は孫の役で共演したので、(映画を観ると)おばあちゃんが出ている!という気持ちになりました。すてきで憧れます」とコメント。風吹は「神々しい存在。だけど普段はとてもナチュラルで気さく。誰も緊張させない方。エネルギーも尊敬するし、いい先輩がいるおかげで頑張れております」と感謝。大先輩からのメッセージに、全員が背筋を伸ばしていた。

取材・文/タナカシノブ