外務省が10月29日に投稿した岩屋毅外務大臣の「お弁当ランチ」が、SNS上で物議を醸している。

 Xには、農林水産省が昨年9月から始めた「#食べるぜニッポン」キャンペーンの呼びかけに応える形でポストされており、「#食べるぜニッポン #岩屋外務大臣は、宮城県産の穴子のお弁当をランチに食しました。外務省はこれからも、食を通じて三陸・常磐地方の振興を応援します!」とつづられている。また、「#食べて応援 #三陸・常磐ものネットワーク詳細はこちら」として、三陸地方のグルメを紹介するURLも記載されていた。

 ところが、この投稿に一部のXユーザーから批判の声が上がったのだ。「政治家の皆さんは、選挙が終わるとコンビニ弁当は即卒業なんですね~」「こんな情報はいらんよ。海上ブイの撤去を早くしろ!」「選挙戦終わると、いきなり弁当が豪華になりますね」などと、どれもかなり手厳しい。

 もちろんこの投稿には、三陸地方の食材をアピールし、復興を促進する目的があるのだが、衆院選での選挙活動では、多くの議員が地元のスーパーやコンビニの安い弁当を食べ、庶民派をアピールしていたことから、急に手のひらを返したように思えたのかもしれない。

 また岩屋外務大臣にとってやぶ蛇だったのは、この投稿がきっかけで、2019年の防衛大臣時代の韓国レーダー照射問題が再燃してしまったことだ。

 当時、防衛大臣を務めていた岩屋氏は、韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件の決着も付けずに、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と非公式会談を行い、「未来志向の日韓関係が大事だ」などと語ってガッチリ握手。国民からブーイングが上がっただけでなく、自民党内部からも不満の声が続出した。

 現在、沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内には、中国が設置したブイが放置されたままになっており、前任の上川陽子氏の時から外務大臣に対する風当たりは強い。国内の復興問題とはまったくの別問題とはいえ、海産物がそれらを想起させてしまったようだ。

 外務省に他意はないとはいえ、少しばかり投稿のタイミングが悪かったかもしれない。

ケン高田

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