[ルヴァン杯決勝]名古屋 3(5PK4)3 新潟/11月2日/国立競技場
凄い試合だったね。最後はPK戦で決着がついたけど、スリリングな展開で観ている人は存分にサッカーの醍醐味を堪能できたと思う。満杯の国立で、両チームのサポーターが良い雰囲気を作ってくれたよね。
前半は名古屋のペース。最初からアクセル全開で、新潟のビルドアップに対して、前からがっつりハメていく。相手ゴールキーパーの縦パスに反応して、そのまま決めた永井の先制点も狙いどおりだったんじゃないかな。
その永井が追加点も奪って、2点リードで迎えた後半、名古屋は前半ほど前から行かなくなった。そこを新潟が突いた格好だね。途中出場のダニーロが流れを引き寄せて、谷口の得点をアシスト。押し込むなかで小見が土壇場で自ら奪ったPKを成功させた。
延長戦では名古屋は中山、新潟は小見が得点。3-3で突入したPK戦を名古屋が5-4で制した。
松橋監督には何度か話を聞かせてもらったことがあるから、新潟に優勝してほしかった部分はあるけど、長谷川監督はやっぱり勝負強いね。ガンバでもFC東京でもルヴァンで優勝している。まさに“勝たせる”監督だと改めて思った。
まさに死闘、激闘と呼べるファイナルで、印象に残ったのは小見だね。2年前ぐらいから注目していた選手。独力で局面を突破できるし、とにかくアグレッシブで、活きの良いアタッカーが出てきたなって。
【動画】アルビ小見が圧巻2ゴール!
サイドで果敢に仕掛けるのが特長だけど、ここ最近はプレーの幅が広がっているよね。外はもちろん、中に入ってきても効果的なアクションができる。引き出しが増えたし、スピードもあるから相手もやりづらいだろうね。
ダニーロと同様に、途中出場で新潟の攻撃をさらに勢いづけた。実力的には先発してもおかしくないけど、切り札的な起用も合っていると思う。目に見える結果で期待に応えてみせたしね。
アディショナルタイムに、決めたら同点という場面でPKのキッカーを任されたし、勝ち越された後もまた同点ゴールをゲット。PK戦でも5番目に登場して決め切った。メンタルも相当に強そうだ。
将来が楽しみな22歳。準優勝の悔しさも、さらなる成長の糧にするはず。今後も注目していきたいね。
【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、52歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。
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