インテルラゴス・サーキットで開催されているF1第21戦サンパウロGP。11月2日(土)のF1スプリントでは、マクラーレンのランド・ノリスが優勝。RBの角田裕毅は15位だった。
今年4回目のスプリント週末であるサンパウロGP。初日に行なわれたスプリント予選では、オスカー・ピアストリが最速タイムをマークし、チームメイトのノリスが2番手とマクラーレンがフロントロウを独占した。
グリッド2列目にはフェラーリのシャルル・ルクレールとレッドブルのマックス・フェルスタッペン。アストンマーティン勢とキック・ザウバーの周冠宇がピットレーンスタートを選んだこともあり、角田はグリッド最後尾17番手からの出走となった。
F1スプリントの天候は晴れ。気温28度、路面温度49度と暖かく、全車ミディアムタイヤを選択した。ほとんどがユーズドを選んだ一方で、7番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)と8番手のリアム・ローソン(RB)が新品タイヤを履いた。
24周で争われるレースの幕が上がると、ピアストリがホールショットを決め、ノリスが2番手で順当にスタートを切った。3番手のルクレールにはフェルスタッペンが襲いかかったが、ここではポジションを守った。
後方でも大きな混乱もなく2周目に突入。マクラーレンの2台が抜け出す一方で、スタートで抑え込まれる形となったフェルスタッペンがルクレールをDRS圏内で追いかけ回した。
直近のアメリカラウンド2戦では激しい走りによって物議を醸したフェルスタッペンはルクレール攻略で無理をせず。チームからも「時間をかけろ」と釘を差された。
ただ、低調なスタートとなったルクレールのペースが徐々に上がり、3〜4番手がトップを走るマクラーレン勢に接近していった。
ドライバーズチャンピオンシップで逆転タイトル獲得の目もまだ残っているノリスとしては1ポイントでも欲しい状況。首位を走るピアストリとの入れ替えを望んだが、レース序盤では実行されなかった。
ただルクレールとフェルスタッペンが接近してきたことで、首位ピアストリは2番手ノリスにDRSを与えてマクラーレン1-2を維持しようと試みた。
レースが折り返しを迎えた段階で、首位ピアストリから4番手フェルスタッペンまでがそれぞれ1秒差という接近戦。この4台から離される形でフェラーリのカルロス・サインツJr.とメルセデスのジョージ・ラッセルが続いて走った。
レース終盤に入り3番手ルクレールが再びトップ2台から離され始めたことで、マクラーレンは最終ラップまでポジションを維持するようドライバーに指示したものの、ノリスは「僕はオーバーテイクに行く」と宣言した。
ただ、その後ろで18周目にフェルスタッペンがルクレールをようやく攻略。マクラーレンとしては迫るフェルスタッペンへの対応が求められたが、21周目というところでハースのニコ・ヒュルケンベルグがコース脇にマシンストップ。ターン10付近でイエローフラッグが提示された。
この間にマクラーレンは、ピアストリを”盾役”とするためか、22周目にチームオーダーを発令。ノリスを先行させ、22周目にはイエローフラッグからバーチャル・セーフティカー(VSC)に切り替わった。
VSC中は追い抜きが禁止されるため、マクラーレンとしてはまさに絶好のタイミングだった。VSCはファイナルラップで解除され、フェルスタッペンは2番手ピアストリに襲いかかるも時間切れとなった。
結果的にノリスがトップチェッカーを受け、ピアストリが2位。ノリスが最大8ポイントを手にすることとなった。
フェルスタッペンは3番手フィニッシュとなったものの、VSC中の手順違反によってレース後の審議対象に。4番手フィニッシュのルクレールとは4秒差であり、タイムペナルティを受けることになれば3位を失いかねない。
5番手サインツJr.以下は、ラッセル、ガスリー、セルジオ・ペレス(レッドブル)というトップ8。F1スプリントは8位までにポイントが配分されるため、RBのリアム・ローソンは9位で惜しくもポイントを逃した。
角田は最終的に15位でのフィニッシュ。F1スプリントでRBは両者無得点に終わったが、角田はチームメイトから大きく水を空けられる結果となった。