・Yoshio『ドラゴンボール』
私はまさにドラゴンボール世代で、小学校の時は「カメハメ波」や「元気玉」が本当にできると思っていた。学校では、ドラゴンボールの話で持ち切りとなり、家に帰ればこっそりお風呂でカメハメ波の練習をしていた。いつか悟空になることを子供達がみな夢見ていた。
私の小学校低学年の娘2人もドラゴンボールにどハマり。家に帰れば「お父さん、クリリンがフリーザに!」「ドラゴンボール超の○話まで見ちゃったよ」「ギニュー特戦隊のオレンジ色の人の名前なんだっけ?」など話が尽きない。そしてカメハメ波が本当にできると信じ風呂で練習をしている。
「あ、これ昔の自分と一緒だ(笑)」
ドラゴンボールは世代を超えて夢を与えてくれている。そして、娘との繋がりも。ありがとう『ドラゴンボール』。
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・御花畑マリコ『東京ガールズブラボー』
バイブルとなってる漫画……『ちびまる子ちゃん』とか『こいつら100%伝説』とか大島弓子の『バナナブレッドのプディング』とか色々あるんだけど、自分の人生への影響度を考えたらこれ。作者・岡崎京子自身の80年代サブカル少女の青春を描いた漫画。
80年代の音楽とかお店やブランドの名前がたくさん出てくるので、ディスクガイド的に使っていた。出てくるミュージシャンの作品をレンタルで聴いたり、当時(99年頃)は岡崎京子の漫画はほぼ絶版だったので、古本屋さんを巡って探し回ったり……。かっこいい音楽と本との出会い、それから街歩きはこの本のおかげ。
願わくば、90年代サブカルチャー版の『東京ガールズブラボー』が出ないかなって思ってます。
・中澤星児『NARUTO – ナルト – 』
マンガの影響を受けると言えば、必殺技の存在はデカイと思う。で、私がマンガ史上最も好きな必殺技は『NARUTO -ナルト-』の「八門遁甲の陣」(はちもんとんこうのじん)だ。
自分の命と引き換えに火影以上の力を一時期に手にする禁術であるこの技。リアルタイムで読んでいた頃は「なんとなくかっこいい」と思っていただけだったのだが、最近読み返していてキャラの生きざまに密接に絡む技であることを感じた。
この技の初出は中忍試験のロック・リーで、そのシーンも好きなんだけど、なんと言っても語る上で欠かせないのは69巻から70巻のガイ先生だろう。
『NARUTO -ナルト-』の世界観は、血継限界やチャクラなどの生まれ持った才能で上下が決まるかなり厳しいカースト社会。その中で忍術の才能がなく、子供の頃からバカにされながらも体術を極めているのがガイ先生だ。
天才のカカシをライバル視しているけど、半分流されててガス抜きみたいな存在のガイ先生。読者人気投票でも圧倒的にカカシが人気だったことを記憶している。
そんなガイ先生が、第四次忍界大戦で全員がやられて戦えないタイミングで八門遁甲の陣の最後の門「死門」を開くのが69巻から70巻。あくまで体術を押し通すところ、カカシの「本当に父さんの言った通りだったよ…ガイ!!」、うちはマダラに体術史上最強を認められるところ……ひとコマひとコマが人生だ。
バカにされたって良い。ただ、自分の信じる道を行く。そして、命を懸けた一瞬、作中で最も眩しく煌めくガイ先生のような男に私もなりたい。
というわけで、『NARUTO -ナルト-』を読んだことがないという人は、とりあえず70巻まで読んでみて欲しい。
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・砂子間正貫『ハイスクール! 奇面組』
『こち亀』と悩んだが、もっとも影響を受けたのは『ハイスクール! 奇面組』だと思う。少年時代の私は、他人に笑われようとも自分の個性を堂々とさらけ出す奇面組のメンバーたちから非常に多くのことを学ばせてもらった。1番好きだったのは一堂零(いちどうれい)くん。
ロケットニュース24編集部のメンバーも良い意味で変態だらけで、奇面組に近いものを感じる。いくつになっても奇面組のように生きていきたい。同じ先生の『ボクはしたたかくん』もおすすめ。
以上、10作品である。皆さんが影響を受けたのは、どの作品だろうか? 協会が記念日制定に思いを込めたように、漫画は確実に日本の文化として根付いている。これから業界がさらなる発展を遂げることを、願ってやまない。
参考リンク:公益社団法人「日本漫画家協会」
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24