日本とパラオの国交樹立30周年を祝うイベントが10月29日、東京・飯田橋にある「東京大神宮」にて行われた。

 この日は、パラオに特別な思いを抱く俳優・杉浦太陽が「パラオ観光応援リーダー」に就任。杉浦は妻・辻希美との新婚旅行でパラオを訪れており、「ハネムーンがパラオで良かった。僕の中で一生の宝物」と語っていた。

 だが、そんな平和な空気を切り裂くように突如、会場に現れたのは、赤いタオルを首に巻いた格闘家・小川直也。「元気ですかーっ!」と雄たけびをあげるや、会場の空気はプロレス会場のように一変した。小川がイベントに姿を見せたのは、彼の師匠であるアントニオ猪木さんとの深い絆があったからだ。

「猪木さんは生前、パラオの島をこよなく愛し、サンゴの保護活動などに貢献。パラオの族長からプライベートアイランドを譲り受けているんです。その島は『イノキアイランド』と呼ばれ、今もなお猪木さんの遺志が息づいています」(スポーツライター)

 記者が小川を直撃すると、

「師匠が愛したパラオ。最後の瞬間までパラオに行きたいと言っていました。僕がここに来たのも、きっと『お前、行ってこい』と送り出してくれたからだと思います」

 続けて小川は、猪木さんとともにパラオを訪れた日々を振り返った。

「猪木さんの付き人として初めて連れて行かれたパラオは、まさに夢のような場所でした。グアムを経由して丸1日かけて辿り着く旅路の先に広がる、手つかずの自然と美しい景色。イノキアイランドは東京ドーム7個分もの広さで、師匠と一緒にヤシガニを獲り、バーベキューをして、夕暮れには槍の特訓をしたんです。今でもあの日の光景が、昨日のことのように鮮明に蘇ります」

 式典の最後に、杉浦と小川の2人は「パラオとの絆を次世代にも受け継いでいきたい」と強く誓った。猪木さんの「闘魂」は、この先も日パ友好の象徴として、未来に語り継がれていくだろう。

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