Moto2マレーシア決勝|ビエッティが逃げ切り優勝。新王者の小椋藍はマシントラブルでリタイア

 セパン・インターナショナル・サーキットでMotoGP第19戦マレーシアGPのMoto2クラス決勝が行なわれた。スタートでトップに立ったセレスティーノ・ビエッティ(Red Bull KTM Ajo)が盤石なレース運びで勝利した。

 晴天広がるセパンは気温35度、路面温度56度というコンディション。前日までの曇り空とは大きく異なる条件となった。ポールシッターはホルヘ・ナヴァッロ(OnlyFans American Racing Team)。負傷欠場のジョー・ロバーツの代役ながら、速さを見せた。

 2番手はそのチームメイトであるマルコス・ラミレス。3番手にセレスティーノ・ビエッティ(Red Bull KTM Ajo)というフロントロウだ。

 前戦タイでチャンピオンを獲得した小椋藍(MT Helmets – MSI)は7番手からのスタート。なお、佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp Team)は金曜日のフリー走行での転倒で負傷し、欠場となっている。

 17周のレースがスタートすると、ホールショットを奪ったのはビエッティ。小椋も好スタートで一気に2番手まで浮上した。その後ろにラミレスとナヴァッロが続く形だ。

 ビエッティはハイペースで逃げにかかる。一方、小椋はターン14で膨らみ、ラミレスにオーバーテイクを許し3番手とした。後方のライダーを中心に転倒が相次ぐ中、首位ビエッティは2周目にしてリードを1秒に。その後もファステストペースで快走を続けた。

 しかしビエッティのペースは徐々に落ち着き、5周目にはトップ4が0.7秒ほどの等間隔に。そして6周目、ビエッティにミスがあったかラミレスが急接近。一時ラミレスが首位を奪うなどバトルを演じ、一気にその差が詰まった。

 小椋の後ろにナヴァッロ、その後ろのイザン・ゲバラ(CFMOTO RCB Aspar Team)までの5台が先頭集団に。ただこの集団からゲバラが徐々に遅れ、8周目にナヴァッロが小椋をパスするなど少しずつ状況が変化していった。

 ナヴァッロはチームメイトのラミレスも抜き去り2番手。0.5秒前を走るビエッティを追った。ラミレスはタイヤが垂れてきたか、ペースが悪化。小椋は10周目にそのラミレスを交わして表彰台圏内の3番手に戻った。

 ペースは苦しいながらも3番手を走っていた小椋だが、11周目に失速。コーナー立ち上がりでエンジンが止まり、危うく追突されるところだったがなんとか接触は避けられた。チャンピオン獲得直後のレースで結果を残すことはできなかった。

 この転倒と、ゲバラを抜いてきたジェイク・ディクソン(CFMOTO RCB Aspar Team)がラミレスと3番手争いを演じたこともあって、トップ2台が完全に抜け出し、優勝争いはビエッティとナヴァッロに絞られた。

 ビエッティは残り4周となる頃からスパート。ナヴァッロとのギャップを1秒近くまで広げると、1.3秒差でファイナルラップに突入。盤石なレース運びで今季3勝目となる優勝を果たした。

 ナヴァッロは優勝こそ逃したものの、代役参戦で見事な結果を残した。3位はゲバラ。これが初表彰台だ。3番手を走っていたディクソンは周回数を間違えたのか、ストレートで失速するシーンがあり4位でフィニッシュとなった。