「ドラクエ」シリーズでは、キャラクターごとに「ちから」や「すばやさ」といったさまざまステータスが設定されています。『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』には、「これって何の意味があるの?」と疑問を感じさせるステータスが存在しました。



人間キャラの「かしこさ」は意味がない数値だった!? 画像はスマホ版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(スクウェア・エニックス)

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意味がなさそうだけど…キャラクターの特徴が反映されている?

 スーパーファミコン用ソフトとして発売された『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(以下、ドラクエ5)には、多くのプレイヤーが「ゲーム上、何に影響するのか分からない」と疑問を感じるステータスがふたつもあります。

 まず、「かしこさ」です。『公式ガイドブック』には、「仲間モンスターが、命令どおりに行動するかに影響する」とだけ記載されています。つまり『ドラクエ5』において「かしこさ」は、仲間モンスターにのみ関係する数値で、人間にとっては意味のないステータスだったのです。

 しかし、仲間モンスターにとっては重要なステータスです。「かしこさ」が20以上の場合、戦闘中において主人公の作戦や命令どおりに行動し、20未満だと命令を無視して勝手な行動をとります。この設定を知らなかったプレイヤーからは「全然言うこと聞いてくれなくて大変だった」など四苦八苦したという声が多くあがりました。ちなみに「スライムナイト」の「ピエール」や「クックルー」の「クックル」などは、加入直後から「かしこさ」が20以上あるため、扱いやすい仲間モンスターと言えるでしょう。

 ほかに、プレイヤーの間で効果が「謎」とされていたステータスに、「うんのよさ」があります。『公式ガイドブック』には「戦闘時のうんのよさ。モンスターの攻撃をかわす確率が高くなる」と記載があるだけで、具体的にどのくらいの確率でかわしやすくなるのかは言及されていません。もし「カジノで当たる確率」や「敵がお宝を落とす確率」に影響していたら頑張って上げたくなるものですが、いずれも確証はありません。

 プレイヤーのなかには、「キャラクターの人生を表している数値なのでは?」と考える人もいました。特に『ドラクエ5』の主人公は、幼少期に「うんのよさ」がほとんど上がらないことから、「その後の過酷な運命を暗示しているようだ……」と推察する声が多く聞かれます。また、物語の中盤以降から「うんのよさ」が上がっていくことに「家族がそろって幸せなんだろうな」と感じて、安堵したプレイヤーもいたようです。

「かしこさ」は後のナンバリングタイトルにも引き継がれましたが、「うんのよさ」は『ドラクエ5』を最後に姿を消しました。『ドラクエ5』においてこのふたつのステータスは、仲間モンスターや主人公たちの特性を彩るうえで一定の役割を果たしていたと言えます。なお「ドラクエ」シリーズはナンバリングごとにステータスの意味が一部異なるのも特徴のひとつです。ステータスの変遷からも、開発陣によるキャラクター設定やゲームバランスの調整の試行錯誤をうかがい知ることができるでしょう。

スマートフォン版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』:
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