「泣いた」「鳥肌立った!」横浜DeNAがリーグ3位から“史上最大の下剋上”で26年ぶり日本一も、見過ごせない「40」差での日本シリーズに賛否

 史上最大の下剋上に賛否が上がっている。

 プロ野球のSMBC日本シリーズは11月3日、第6戦が横浜スタジアムで行なわれ、横浜DeNAがソフトバンクを11対2で破り、2連敗スタートから怒涛の4連勝で一気に26年ぶり3度目の日本一を成し遂げた。

 本拠地ハマスタの大声援を受け、序盤からDeNA打線が躍動した。2回裏に筒香嘉智が右翼スタンドに豪快なソロホームランをぶち込んで先制。さらに1死二、三塁の好機を作ると、1番の桑原将志が三遊間を破るタイムリーヒットで2点を加えた。 

 4回表にソフトバンクの柳田悠岐に一発を浴び2点差とされるも、5回にDeNA打線が爆発する。この回から登板したスチュワート・ジュニアを攻め立て1死満塁にすると、ここまで3安打の桑原が7球粘って押し出しの四球を選び、さらには梶原昂希の中適時打で1点を追加。打線がつながり、右腕をマウンドから引きずり下ろす。
  このあと4番手の岩井俊介が押し出し死球を与え、なおも2死満塁とDeNAのチャンスが続き、再び筒香に打順が回る。筒香は初球の速球を振り抜くと、打球はレフトスタンドへ。ホームランかと思われたが、フェンス最上段に当たり走者一掃となる3点二塁打。5年ぶりに古巣復帰を果たした主砲の一打で試合を決定づけた。

 打線の大量援護で試合を有利に進めたDeNAがソフトバンクを寄せ付けず大勝を収めた。日本一の瞬間、1998年のV戦士だった三浦大輔監督はベンチで号泣。就任4年目で悲願を成就した指揮官は愛するハマスタでナインの手によって5回胴上げされると、再び涙を見せた。

 DeNAファンにとってはこれ以上ないストーリーだが、この結果を素直に受け入れきれない声も少なからずある。レギュラーシーズンのDeNAは、71勝69敗3分けで貯金はわずか「2」。セ・リーグ優勝の巨人とは8ゲーム差の3位で終えた。一方、ソフトバンクは91勝49敗3分けの貯金「42」で、こちらはパ・リーグを堂々制覇。2位の日本ハムとは13.5ゲーム差の圧倒的大差をつけ、勝率は6割を超えた。

 クライマックスシリーズでDeNAはファーストステージでリーグ2位の阪神を倒し、ファイナルステージでは巨人も破り、7年ぶり4度目となる日本シリーズ進出を決めた。リーグ優勝のアドバンテージを持つソフトバンクは、ファイナルステージで日本ハムを退けて4年ぶりの日本シリーズ進出。レギュラーシーズンの貯金差が「40」という格差対決が実現した。 前評判通りに第1、2戦目はソフトバンクが敵地で連勝を収めたが、逆に本拠地の福岡で3連敗を喫し、一気に窮地に立たされた。2日は雨天中止となり、2日連続で試合がなかったが、DeNAの勢いは止まらず4連勝。リーグ3位から史上最大の下剋上を見事に完遂し、頂点を掴み取った。
 
 この異例な事態にネット上では「泣いた…横浜進化!ミラクルベイスターズ」「シーズン3位からの下剋上は格別なり」「ここまで強いとは…DeNAの下剋上は鳥肌が立ちました」など、DeNAの快進撃を称える一方、「なんで貯金2のチームが日本一なの?」「DeNAが勝って下剋上成るとか草」「レギュラーシーズンの価値とは…やっている意味あるかな?」など、143試合の長丁場を制したチームが必ずしも日本シリーズに出場できないことに、一部のプロ野球ファンは納得できず複雑な想いを抱いているようだ。
  貯金差「40」での対決となった今年の日本シリーズ。もちろん、全力で戦った両球団の選手には拍手を送るべきだが、07年からセ・パ両リーグで実施されるようになったクライマックスシリーズを経ての日本一決定戦の在り方は、見直す時期にきているのかもしれない。

■日本シリーズ2024結果
第1戦 DeNA3-5ソフトバンク(横浜スタジアム)
第2戦 DeNA3-6ソフトバンク(横浜スタジアム)
第3戦 ソフトバンク1-4DeNA(みずほPayPayドーム福岡)
第4戦 ソフトバンク0-5DeNA(みずほPayPayドーム福岡)
第5戦 ソフトバンク0-7DeNA(みずほPayPayドーム福岡)
第6戦 DeNA11-2ソフトバンク(横浜スタジアム)

構成●THE DIGEST編集部

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