「一つひとつの試合を見ると苦しい。楽勝と言えるゲームはない」それでも最後は笑う韓国の底力は今回のW杯アジア最終予選でも健在だ

 北中米ワールドカップのアジア最終予選、10月までの4試合を終えてグループBの首位に立つのが韓国だ。最終予選の初戦で格下のパレスチナとホームで引き分けながらも(結果は0-0)、続くオマーン戦で3-1と勝利を収めると、10月にはヨルダン、イラクを撃破。ここまで日本と同じ勝点10を積み上げている。

 日本のような爆発力を見せつけているわけではない。10月の連戦もヨルダンにアウェーで2-0、イラクにはホームで3-2とむしろギリギリの戦いを強いられている。識者の河治良幸氏は言う。

「一つひとつの試合を見ると苦しいです。楽勝と言えるゲームはないですし。チームとして試行錯誤している感はあります」

 それでもしっかりと勝つあたりに伝統の勝負強さが窺える。

「チャンスをしっかりと決め切る力があります。10月の連戦はそれでいてソン・フンミン選手頼みではありませんでした。しかもオ・セフン選手がゴールに絡んでいる点は、Jリーグファンにとって嬉しいニュースです」
 
 日替わりでヒーローが出ているのも韓国の強みと言えるかもしれない。実際、ヘンク在籍のオ・ヒョンギュやマインツ在籍のイ・ジェソンらがヨルダン戦やイラク戦で活躍している。

「ソン・フンミンという絶対的なエースがいますが、ここまでの予選ではそれ以外の選手も活躍しています。これは韓国にとってとてもポジティブな要素だと思います。今後韓国のスターになりそうな選手の芽がポツポツと出てきていますし」(河治氏)

 苦しい試合をしても最後は笑う。韓国の底力は今予選でも健在だ。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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