日本で見覚えのある仕草が脚光を浴びている。
現地11月2日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦フランス大会の女子フリーが行なわれ、ショート3位だった樋口新葉がフリートップとなる139.10点、合計206.08点をマーク。ともに今季自己ベストを叩き出して2位となり、上位6人のみが進出できる同シリーズのGPファイナル(12月・フランス)出場切符を女子一番乗りで掴んだ。さらに、住吉りをんが合計201.35点で3位に入り、日本勢がダブル表彰台を確保した。
樋口は冒頭のダブルアクセルを軽やかに降りると、ルッツ-トウループの連続3回転ジャンプも着氷。しっとりとした曲調を目一杯に表現しながら、すべてのジャンプを着氷してみせた。会心の演技に力強くガッツポーズも飛び出すほど、喜びを爆発した。自己ベストを更新する得点を目にすると驚きの表情をみせ、「良かった…」と安堵した。
結果的に、ショートで今季世界最高得点を出して首位発進したアンバー・グレン(米国)に優勝を譲ったが、名古屋で開催された2017年以来となるGPファイナル進出を決めた樋口は3位だった住吉とともに満足した笑顔で銀メダルを披露した。
開幕戦のアメリカ大会に続く好演技をみせた樋口には海外記者からも賛辞が寄せられている。米国の名物フィギュア記者ジャッキー・ウォン氏は「正直に言って私にとって最も驚きだったのは、ジャッジが日本のワカバ・ヒグチに高いPCSを与えたことだ。彼女なら、これからもっと高くなる可能性がある」と言及。今大会の出場選手トップとなる演技構成点に注目し、さらなるレベルアップに期待の言葉をかけた。
他にも、カナダ紙『The Globe and Mail』の元記者であるビバリー・スミス氏は、「なんてチャンピオンなの!ワカバ・ヒグチのフリースケーティングは素晴らしかった」と自身のXに投稿。「総合では銀メダルだったけど、ノーミスの美しい演技に感動したわ」と付け足すほど、日本人スケーターのプログラムに惚れ込んだ。
そして、フィギュアスケート専門メディア『Golden Skate』は試合後の記者会見の裏側を公開。その写真を見ると、肩を寄せ合いながら満面の笑顔を見せて記念撮影に応じている際、樋口が顔近くに右手でピースサインを突然披露する。ギャル感強めなポーズに気づいた住吉も両手でピースをつくり、顔をくしゃくしゃにした笑みをカメラに向けて、優勝したグレンを含め健闘を分かち合った。
日本女子はここまで今季のGPシリーズ3大会で表彰台に複数人が乗っており、特に2戦目のカナダ大会では坂本花織、松生理乃、吉田陽菜の3人が表彰台を独占。実に16年ぶりの快挙を飾り、世界を驚かせた。
今週末には国内で4戦目となるNHK杯が開催される。ホームリンクで日本勢のますますの活躍に注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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