『ONE PIECE(ワンピース)』の醍醐味として、秀逸な伏線回収を楽しみにしている読者も多いでしょう。ルフィが航海をはじめた「東の海(イーストブルー)」にも、今後の展開に関わりそうな伏線や謎がいまだに残されています。



「バラティエ」の再登場はある? 画像は『ONE PIECE EAST BLUE編 piece.8』(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

【画像】え…っ? いきなり最強がおるやないか(笑) こちらが「最弱(?)・東の海」出身の海賊です(5枚)

伏線であってほしい…初期の何気ない「会話」

 マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』は最終章に突入して2年以上が経ちましたが、未回収の伏線は数多く残されています。特に主人公「モンキー・D・ルフィ」の航海の出発地である「東の海(イーストブルー)」は、物語序盤の舞台でありながら、今後の展開に関わる謎や伏線がある海域です。

 まず、考察されているのが「コラソン」こと「ドンキホーテ・ロシナンテ」の生存説です。彼は元王下七武海「ドンキホーテ・ドフラミンゴ」の弟で、海軍のスパイとしてドフラミンゴの組織に潜入していましたが、13年前に裏切りが露呈し、ドフラミンゴに射殺されました。

しかし、一部のファンから生存説がささやかれています。生存説が広まる要因のひとつは、原作49話の海上レストラン「バラティエ」での会話です。「鷹の目の男」の話題になった際、コックたちが「真っ赤な目の男なら来たことがある」「体に引火して爆発した」と言及しています。バラティエができたのは11年前で、赤い目を持ち、タバコの火がよく衣服に引火するというドジなコラソンを連想させることから生存説が浮上したのでしょう。

 また、コラソンが射殺された「ミニオン島」に、同じタイミングで海軍中将「つる」が現れたことも理由としてあげられています。タイミングの良さから「密かに救出されたのかも」「ナギナギの実は諜報活動に向いてるしSWORDで暗躍してそう」などと、生きながらえて欲しいと願う人が多い人物です。

 バラティエ関連でもうひとつ重要な伏線と考えられているのが、東西南北4つの海域すべての魚が生息するという伝説の海域「オールブルー」です。麦わらの一味の料理人「サンジ」の夢は、このオールブルーを見つけることですが、その存在を信じる人はほとんどいません。

『ONE PIECE』の世界は「赤い土の大陸(レッドライン)」が縦断し、その「レッドライン」と垂直に走る「偉大なる航路(グランドライン)」が「凪の帯(カームベルト)」に挟まれて、海を4つの海域に分けています。「オールブルー」が、これらのすべての海の生物が共存する海であるということを考えると、「レッドライン」や「カームベルト」が消えなければ難しいでしょう。

「レッドライン」には世界政府の本拠地である聖地「マリージョア」があり、そこには世界貴族「天竜人」が住んでいます。また、その真下の深海には「魚人島」が存在します。ファンの間では「いずれ世界政府と敵対するルフィが『レッドライン』を破壊するのでは」「海王類を操る力を秘めた人魚『しらほし』がカームベルトを取り除くのでは」など、さまざまな可能性がささやかれています。海が「ひとつ」になるという意味では、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」とも関わりがあるのかもしれません。

 今後のキャラクターの何気ない言動が、初期の伏線回収につながることもあるかもしれません。