『まことちゃん』『漂流教室』『わたしは真悟』『14歳』など、数多くのヒット作を放った人気漫画家の楳図かずおさんが、88歳で亡くなられました。『楳図かずお恐怖劇場』『マザー』などの劇場映画公開の際に、楳図さんが語った創作の秘密を振り返ります。
「自分自身が科学者や神様になる」
地球が終わりのときを迎え、人類は選ばれた子供たちを宇宙船「チララノザウルス号」に乗せ、人類の未来を託します。宇宙を流浪した「チラノザウルス号」は、物語の最後に驚愕のエンディングを迎えることになります。
楳図さんいわく「子供の頃の疑問に大人たちが答えてくれなかったので、それなら自分が描くマンガの世界で自分自身が科学者や神様となって、その答えを導き出してやろうと思った」そうです。楳図さんにとって最後の長編マンガとなった『14歳』は、子供の頃の自分自身に、大人になった楳図さんがありったけの知識と想像力で答えてあげた作品だったわけです。
「宇宙の果てがどうなっているのかについては『14歳』でまぁ描けたと思っていますが、人間が死んだらどうなるのかまでは描けなかった」とも語っていました。楳図さんは持ち前の旺盛な好奇心と巧みなペン遣いで、天国の様子をスケッチしているところなのかもしれません。
楳図さんの冥福を、心からお祈りします。