記者会見でFワードを使ったとしてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)やシャルル・ルクレール(フェラーリ)にペナルティが科せられている現状に対し、F1ドライバーたちはGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)を通じて声明を発表。「ドライバーをひとりの大人として扱う」ようFIAに求めた。
シンガポールGPの木曜日会見ではフェルスタッペンが、メキシコシティGPのレース後の会見ではルクレールが、それぞれ発言の内容に対してペナルティを科せられた。フェルスタッペンは社会奉仕活動を命じられ、ルクレールは執行猶予付き1万ユーロ(約165万円)の罰金となった。
arrow_forward_iosもっと見る
Powered by
GliaStudio
GPDAの声明では、この件に加えて2022年にルイス・ハミルトン(メルセデス)をターゲットにしたと思われるコックピット内での宝飾品着用に関する通達がメディア向け配布されたことにも言及。FIAはドライバーをもっと大人として扱うべきだと述べられている。
GPDAは、ドライバーたちは”レフェリーの決定”に従わなければならないことを受け入れているものの、GPDAはF1およびFIAと協力し、すべての決定がチャンピオンシップの利益とそのスペクタクルのためになるようにしたいと主張した。
またドライバーへの罰金については、特にその使途が十分に透明化されていないと感じており、不満であることをGPDAは示唆した。FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長に対して、罰金の使途について 「財政的な透明性を提供する 」べきであり、その使途についてすべての利害関係者が合意すべきであると求めた。
その上、スレイエム会長にはドライバーに対する口調や言葉遣いについても考慮するよう求めている。
さらに、ドライバーたちはチャンピオンシップに関わるすべての人々のためにF1がうまく宣伝されるよう手助けする役割を担っていると感じており、他のステークホルダーにも同じことをするよう呼びかけている。
GPDAでは、現役ドライバーのジョージ・ラッセル(メルセデス)が理事を務め、2022年限りで引退した4度のF1王者セバスチャン・ベッテルも名を連ねている。現在は元F1ドライバーでル・マン24時間を2度制したアレクサンダー・ブルツが、GPDAの会長を務めている。
GPDAの声明全文は以下の通りだ。
『”ドライバーの不祥事”に関するGPDA声明』
すべてのスポーツがそうであるように、競技者は好むと好まざるとにかかわらず、また同意するとしないとにかかわらず、審判の決定に従わなければならない。スポーツとはそういうものだ。ドライバー(私たちのメンバー)も同じであり、そのことを十分に理解している。
我々のメンバーは、国際的なモータースポーツの最高峰であるF1に参戦しているプロのドライバーだ。彼らはグラディエーターであり、毎週末のレースではファンのために素晴らしいショーを見せてくれる。
悪態に関しては、他人を侮辱するための悪態と、悪天候やF1マシンのような無生物、あるいは運転状況を表現するようなカジュアルな悪態とは違いがある。
我々はFIA会長に対し、公の場であろうとなかろうと、我々のメンバーであるドライバーに話しかけるとき、あるいは彼らについて話すとき、自らの口調や言葉遣いについても考慮するよう求める。さらに、我々のメンバーは大人であり、アクセサリーやパンツの着用といった些細なことについてメディアを通じて指示を受ける必要はない。
GPDAはこれまで何度となく、ドライバーに罰金を科すことは我々のスポーツにはふさわしくないとの見解を表明してきた。過去3年間、我々はFIA会長に対し、FIAの罰金がどのように配分され、その資金がどこに使われるかについて、詳細と戦略を共有するよう求めてきた。我々はまた、罰金がスポーツにもたらすネガティブなイメージについての懸念も伝えてきた。我々は、FIA会長が財政的な透明性を提供し、我々と直接、オープンな対話を行なうことを改めて要請する。すべての利害関係者(FIA、F1、チーム、GPDA)は、我々のスポーツの利益のために資金がどこでどのように使われるかを共同で決定すべきである。
GPDAは、FIA会長を含むすべての利害関係者と建設的な形で協力し、この偉大なスポーツを振興することで、このスポーツに携わる人々、このスポーツにお金を払う人々、このスポーツを観戦する人々、そしてこのスポーツを愛するすべての人々の利益に貢献したいと考えている。我々は我々の役割を果たしている。
Best regards
GPDA理事および会長、グランプリドライバーを代表して
#RacingUnited 我々の安全、スポーツ、ファンのために