今週末の2レースがスーパーフォーミュラで最後の2戦となる山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。その初戦となった第8戦を、山本は7位で終えた。
山本は金曜日のフリー走行で調子が良かったため、この土曜日の第8戦に大きな期待を抱いて臨んでいたという。その期待通りとはいかなかったものの、文字通り最後のレースとなる日曜日の第9戦に向けては、まずはポールポジションを目指し、最後のレースを”良いレース”にしたいと語った。
鈴鹿サーキットでのスーパーフォーミュラ最終ラウンド開幕直前、今季限りで同シリーズから退く決断を下したことを発表した山本。しかし金曜日のフリー走行ではまだまだ衰え知らずの速さを見せ、トップタイムをマーク。最後の勇姿を目に焼き付けようと鈴鹿を訪れた多くのファンは、その結果に感涙した。
そして一夜明けた11月9日。午前中に行なわれた予選ではQ1を順当に突破し、迎えたQ2では6番手。好位置から決勝レースをスタートすることになった。その決勝では7位と、入賞を手にした。
しかし山本本人は、もっと大きな期待を抱いていた。
「予選にも期待していたんですが、6番手ということで少し残念……少しじゃない、めちゃくちゃ悔しいです」
山本は第8戦のレース後にそう語った。
「昨日のフリー走行が調子良かったので、ちょっと身動きが取れない部分もありました」
「実はあのタイムでも、スプーンで大失敗していたんです。なのでかなり調子は良いだろうと思っていました」
「でも(予選の最速タイムが)1分36秒台前半まで行くとは思わなかった。そのタイムを狙うには、少しマシンは足りていませんでした」
「あのくらいにマシンを持っていかなきゃいけないということが分かったので、明日の予選に向けてしっかりとアジャストして、最後のレースでポールポジションを獲って終わりたいと思います」
決勝ではペースの面で苦しんだという山本。しかしチームメイトの佐藤蓮は、ピットでのトラブル(交換したばかりのタイヤが突如外れてしまった)によりリタイアとなってしまったものの、レースペース自体は優れていたため、それを参考に自分も前進したいと語った。
「決勝に関してはちょっと辛かったです。防戦一方な感じでした」
「佐藤選手はピットでアクシデントがありましたけど、ペースは良さそうでした。それを参考にしながら、どんな結果であっても最後まで諦めないで、ベストな走りをしたいと思います」
「こんなにキツいとは思っていませんでした。それ以上に太田選手のあの異次元の速さはどこから来るんだろう……それくらい素晴らしかったので、なんとか彼に追いつけるようにしたいし、最後格好良いレースがしたいです」
山本曰く、最後のレースだから何かを変える……そういうことはしたくないという。しかしライバルに負けて終わるわけにはいかないと、改めて語った。
「残り2戦だからとか、最後だからとか、別にそういうことで何かを変えるつもりはないです。とはいえ明日がフォーミュラカーでの最後のレースなんで、いつもどおりやるのはなかなか大変だなとは思いますけど。いつも通りを心がけたいと思います」
「ただ、ライバルに負けたままで終わるわけにはいかないし、終わりたくないので、なんとかチームのみんなと良いクルマを作って、今日は(佐藤)蓮も僕もうまくいかなかったので、明日ふたりで表彰台に上がる、良いレースをしたいと思っています」