「僕には実力があるからそれを見せつけたい」ベンチ降格となったラッセルだが自信は失わず「ただ勝ちたいだけ」<DUNKSHOOT>

 現地時間11月8日(日本時間9日、日付は以下同)、ロサンゼルス・レイカーズはホームのクリプトドットコム・アリーナでフィラデルフィア・セブンティシクサーズ相手に116-106で快勝し、連敗を2でストップさせた。

 個々のスタッツはアンソニー・デイビスがゲームハイの31得点に9リバウンド、4ブロック、レブロン・ジェームズが21得点、12リバウンド、13アシストのトリプルダブルに3ブロック、オースティン・リーブスが20得点、6リバウンド、7アシスト、八村塁が9得点、4リバウンドをマーク。

 レイカーズはこの日、スターターを変更。ここまでに挙げた4選手にキャム・レディッシュを投入し、ディアンジェロ・ラッセルをベンチスタートにした。

 レディッシュは114-131で大敗した前試合のメンフィス・グリズリーズ戦で15得点、6リバウンド、2スティールを記録。このシクサーズ戦では27分49秒プレーして3得点、5リバウンド、2アシスト、1スティール、1ブロックをマークした。
  一方、ポイントガードのラッセルは前2試合でいずれもフィールドゴール成功率33.3%以下と精彩を欠いていたが、シクサーズ戦では今季ベストの同58.3%(7/12)を記録。18得点に2リバウンド、3アシストで勝利に貢献した。

 JJ・レディックHC(ヘッドコーチ)は、レディッシュを先発陣に入れることで攻守のバランスが増し、またラッセルをセカンドユニットにすることでベンチ陣の得点力がアップし、プレーメーカーとしても機能すると見ていた。

 実際、先発陣にはレブロンとリーブスがいるため、ラッセルがハンドラー役をずっとこなすわけではなく、むしろ脇役に回るケースがあった。ベンチ陣の平均21.9点はリーグワースト2位で、ゲイブ・ヴィンセントを補佐するうえでもラッセルの能力が存分に発揮できると判断したのかもしれない。

 2023年2月の3チーム間トレードで、ミネソタ・ティンバーウルブズからドラフト指名された古巣へ帰還したラッセルは、レイカーズ復帰後ほとんどの試合に先発出場。もっとも、28歳のベテランガードはベンチ起用にも動揺せずにこう口にしていた。
 「僕は誰からも何かを検証してくれとは求めちゃいない。自分の実力はよくわかっている。そのポジションでやっていれば、成功できるんだ。けどもしそうじゃないなら、自分のゲームをアジャストしていかないといけない。

 今の僕に検証や称賛はいらない。僕には実力があるから、そのことを見せつけたい。僕はチームメイトたちへ余計な心配や動揺を与えたくないんだ。僕ならうまく対処できるさ」

 9日を終えて、レイカーズはウエスタン・カンファレンス7位の5勝4敗(勝率55.6%)。西は今季もここまで15チームのうち11チームが勝ち越す大混戦だけに、必要であればラインナップにメスを入れるのはスマートな判断とも言える。
 「僕はただ勝ちたかっただけなんだ。どう起用されようと、その計画が変わろうとも、コーチが何を求めてこようと、勝利を掴もうとしていくだけ。ベンチ起用だってそのうちのひとつってことさ」(ラッセル)

 デイビスとレブロンが引っ張るレイカーズは、今後ウイングのジャレッド・ヴァンダービルト、ビッグマンのクリスチャン・ウッドが戦列復帰できれば、フロントコートの選手層はさらに厚みを増す。

 その反面、バックコート陣のディフェンス力、得点力、プレーメーキング力に不安があるとはいえ、ラッセルがベンチスタートになることでいくつか解決できるならば、シーズン序盤に指揮官が下したこの決断が白星先行へつながることになるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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