1ヵ月経ってようやく確定……! ホンダ育成加藤大翔、フランスF4タイトル獲得。HRCはステップアップ見据え最大限の援助

 10月6日(日)に閉幕した2024年シーズンのフランスF4。暫定結果では加藤大翔がチャンピオンとなっていたが、1ヵ月経った11月8日(金)に正式結果が提示され、タイトルが確定した。

 2023年にホンダ・レーシングスクール・鈴鹿(HRS)のスカラシップを獲得し、育成ドライバーとして渡欧した加藤。1ラウンド3レース制のフランスF4全7戦で、5勝を挙げた。

 ポール・リカール・サーキットで開催された最終ラウンドのレース1では、加藤がトップチェッカーを受けたものの、2番手を走行していたヤニ・スティーブンヘイデンスとのバトルの最中にコースオフを喫したとしてタイムペナルティを受け、レース後2番手に降格……ただ、接触を避けるためのオーバーシュートであったという加藤の説明が通り、ペナルティが撤回された。

 この裁定に対してスティーブンヘイデンスが異議申し立て。再審議となっていたため、最終リザルトの開示に時間を要した。

 しかし前述の通り、裁定が覆ることはなく、加藤のフランスF4タイトルが確定。フォーミュラレース本格デビュー初年度で、5回の優勝を含む12回の表彰台を獲得した。

「初年度でチャンピオンを獲得できたこと、とてもうれしく思います。自分のレースキャリアの中で、今年達成したことは大変貴重な経験になると感じています」

 加藤はホンダ・レーシング(HRC)のリリースを介してそう語った。

「HRS時代からお世話になっている佐藤琢磨さんが最終戦に来てくださっていたことも心強かったです。今年の活動をサポートしてくれたホンダ、家族、日本をはじめ世界中で応援してくださっていたすべての方に感謝の気持ちを伝えたいです」

 日本人のフランスF4チャンピオンは、2023年シーズンまでFIA F2に参戦し今季はスーパーフォーミュラでランキング5番手となった岩佐歩夢以来となる。

 現在RBからF1に参戦する角田裕毅を含め、岩佐もホンダの育成プログラムだけでなくレッドブルの育成プログラムを経てキャリアを築いてきた。

 その一方で、加藤にレッドブルは全く関与しておらず、ホンダ育成一筋。HRCのエグゼクティブアドバイザーを務める佐藤や、レース運営室長の桒田哲宏が今後のプランを練ることとなる。

 佐藤はスーパーフォーミュラ最終戦で、加藤の来季ステップアップ先について次のように語った。

「今、もちろんステップアップを見据えて、最大限のサポートができるように、HRCの中でも色々進めています」

 なお加藤が来季参戦するカテゴリーはまだ公表されていないものの、フランスF4のシーズン終了後、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権 by アルピーヌ(FRCA)のテストにARTグランプリから参加していたという噂もある。