【MotoGP】ドゥカティの来季、マルケス/バニャイヤ対立の懸念をケーシー・ストーナー表明「ドゥカティがどう振る舞うか次第になる」

 MotoGPに参戦するドゥカティは2025年にフランチェスコ・バニャイヤとマルク・マルケスという強力なライダーを揃えるが、そのどちらかを優先するのかドゥカティは決めるべきだろうとケーシー・ストーナーは考えている。

 ドゥカティは2025年シーズンにバニャイヤのチームメイトとなるライダーを誰にするか、序盤戦を通じて評価してきた。当初はホルヘ・マルティンと見られていたが、彼らはドゥカティのマシンへ乗り換えたばかりだったマルケスを選択。2025年はドリームチームとも言うべきラインアップを揃えた。

 ただ2020年に怪我をするまで無敵を誇った6度王者と、ドゥカティ生え抜きで成功を収めてきたバニャイヤがひとつのガレージに揃うことによるドゥカティ内部への影響や、手綱をどう握っていくかが心配な点と見られている。

 2007年にドゥカティへ初タイトルをもたらしたストーナーも、この2名がチーム内で立場を強めようとすることで、対立が生じる可能性を指摘している。

「ドゥカティがどう振る舞うか次第にはなってくるだろう。僕はペッコ(バニャイヤの愛称)がこの状況に対処できるだけの精神的な強さを持っていると思うけど、ドゥカティがどちらをより守りたいのかが問題になってくる」

 ストーナーはガゼッタ・デロ・スポルトにそう語った。

「多分、両者ともにチーム内で混乱を起こそうとして、物事をどっちかの方向へ進ませようとすると思う。ドゥカティがその状況にどう対処していくのか、彼らの選択は興味深い。彼らはできる限りバランスを取らないと、さもなくば問題になるだろう」

 なおバニャイヤは2024年シーズンに3連覇を狙っていたが情勢は厳しく、最終戦をホルヘ・マルティン(プラマック)に24ポイント差をつけられた状態で迎える。

 タイトル防衛の可能性は風前の灯火といった具合だが、ストーナーは今年既に10勝を挙げているバニャイヤの成し遂げた結果は素晴らしいモノであり、現世代で最高のライダーとしてのポジションを確立したことを賞賛した。

「彼はまさにそれに値する。過去数シーズンで彼のやってきたことを見てきたけど、ペッコはコンスタントに成長している」

「ドゥカティ勢の結果は常に優れているけれど、他ライダーと比較して、彼は誰よりも多く勝利している」

「彼のことを過小評価するなんてできない。スプリントじゃなく、本当の勝利なんだ。今年彼が達成してきたことは素晴らしいよ」

 さらにストーナーは、ドゥカティが2025年に向けてマルティンではなくマルケスを起用したことについての見解を問われると、こう答えた。

「様々な点からこの判断は理解することができる。でも、それが正しいという意味ではない」

「22人のライダーの中で全力を尽くし、傑出した存在がいるのにもかかわらず、あるひとりが代わりに入ってくるというのは、正しいことではないと僕は思う。マルクは他のチームでもファクトリーバイクに乗れたはずだと思うし、ドゥカティがマルティンではなくマルクを選んだことは、正しくは無いと思う」