スーパーフォーミュラ、2013年の発足以降最多の来場者数を記録。数々の施策も追い風に「お客様に来ていただけるイベントになりつつある」

 先日のJAF鈴鹿グランプリで、2024年シーズンの全7大会9レースが終了したスーパーフォーミュラ。年間の来場者数は過去最高の209,600人と発表された。

 スーパーフォーミュラはプロモーターである日本レースプロモーション(JRP)主導の下、“HUMAN MOTORSPORTS”をテーマに、様々な施策に取り組んできた。ABEMAでの無料中継や、全国各地でのPR活動、さらにはアプリ『SFgo』のオンボード映像や無線交信の切り抜きのSNSでの拡散(JRPによって公式に許可されている)と、スーパーフォーミュラは様々な形で露出してきた。また、サーキット内でも“夏祭り”や“運動会”を開催したりと、レース以外のコンテンツでも楽しめるような工夫がされてきた。

 そういった施策の成果もあってか、スーパーフォーミュラの動員数は今年も伸びを見せた。全7大会9戦での累計来場者数は209,600人で、これは2023年の165,600人と比べると127%増となった。その昨年も、コロナ禍の影響で数字が大きく落ち込んだ数年間と比較するとV字回復を果たしてはいたのだが、コロナ禍前の数字(2019年に全7大会7戦で206,950人を記録)には届いていなかった。

 ただ今年は、国内トップフォーミュラ選手権の名称が“スーパーフォーミュラ”となった2013年以降では最高の来場者数を記録したのだ。JRPとしても、これまでの取り組みがしっかり結果に繋がっているという確かな実感を持っているようで、上野禎久社長も定例会見の中で「お客様に来ていただけるイベントになりつつある」と述べた。

 自らのタレント・歌手としての知名度も活かしながら、対外的なイベントにも積極的に顔を出して汗をかいてきた近藤真彦JRP会長も、「周りからも『最近レース界が盛り上がっているみたいだね』と言われますが、『そんなもんじゃない!』と言っています」と力説。「“波”が来ているというのは肌で感じていますので、そこに乗らない理由はない。来年、再来年はもっと、このスーパーフォーミュラをアジア、そして世界に認識してもらいたい」と話した。

 またスーパーフォーミュラは車両がワンメイク(エンジンは2メーカー存在するが、開発競争は行なわれていない)ということで、ドライバーやチームが主役となる、まさに“HUMAN MOTORSPORTS”と言える。そのためJRPはドライバーやチームに“推し”を作ってもらう、いわゆる“推し活”を推進するような取り組みも行なっており、サーキットではドライバーの個別タオルを掲げて応援するファンの姿も多く見られるようになった。

 上野社長はドライバーやチームの喜怒哀楽がより伝わるSFgoアプリがこういった推し活を促進させているという実感があるという一方で、「SFgoはモータースポーツのポータルサイトとして機能すべきと思っています。他カテゴリーの情報も入れていきながら、モータースポーツの入り口にしたい」とも語った。