2024年のMotoGPタイトル争い首位に立つプラマックのホルヘ・マルティンは、最終戦ソリダリティGPに大きなリードを持って臨んでいる。彼が最短でタイトルを獲得する条件を改めて整理した。
マルティンは第18戦タイGPでフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)にポイント差を縮められていたが、第19戦マレーシアGPではバニャイヤがスプリントで転倒したことで、その差は拡大。最終戦には24ポイント差をつけて臨んでいる。
バニャイヤはなんとか決着を最終戦に持ち込んだ形となるが、状況はかなりマルティンが有利だ。マルティンは決勝レースを待たず、土曜日のスプリントで初のチャンピオンに輝く可能性があり、バニャイヤの逆転は相手のミス次第という状況にある。
最も明快なマルティンの戴冠条件は、彼がスプリントで優勝することだ。そうなった場合、バニャイヤが2位に入ろうとも、ポイント差は26点(決勝では25点が最大獲得ポイント)となり、決勝レースを待つことなくマルティンのチャンピオンが決まる。
また考えづらい事例ではあるが、マルティンとバニャイヤのふたりが揃って苦戦し、中団グループでの争いとなった場合でも、マルティンが8位までならチャンピオン決定の可能性がある。
一方でマルティンが9位以下となった場合は、その時点で決着は決勝レースへと持ち越される。以下の表はスプリントでマルティンのチャンピオンが決まる条件をまとめたものだ。
■マルティン、最終戦スプリントでチャンピオン確定の条件は?
マルティン順位/バニャイヤ順位
優勝 順位関わらずマルティンがチャンピオン
2位/3位以下
3位/5位以下
4位/6位以下
5位/7位以下
6位/8位以下
7位/9位以下
8位/10位以下
9位以下/決着は決勝レース
しかしながら、スプリントで決着がつかない可能性も大いにある。これまでのバニャイヤとマルティンのペースを考えれば、バニャイヤがスプリントで優勝、マルティンは2位という結果は十分に考えられるからだ。
その結果となった場合、マルティンは決勝に22ポイント差で挑む。この点差は、バニャイヤが決勝で勝ったとしても、マルティンは11位以上でのフィニッシュでチャンピオンとなれる計算だ。
また仮にバニャイヤがスプリントを制し、マルティンが転倒ないしノーポイントでスプリントを終えたとしても、決勝レースにはマルティンが12ポイントリードで臨む。その場合マルティンが表彰台を獲得すれば、たとえバニャイヤが優勝したとしてもマルティンの戴冠が決まる。
なおマルティンがタイトルを獲得した場合、サテライトチームのライダーが王者となるのは、2002年にバレンティーノ・ロッシがナストロ・アズーロ・ホンダで500ccクラスのチャンピオンになって以来。MotoGPクラスとなってからは初めてという歴史的な偉業となる。