相手の恋愛感情をあおって結婚を約束し、15人以上の女性から被害総額約3億円もの金を詐取したとして10月22日に再逮捕されていた江尻舟一容疑者(51)と武田佑氣容疑者(33)が、11月12日に詐欺容疑で3度目の逮捕となった。しかし、江尻容疑者はただ金を騙し取るだけではなかった。女性の身も心も傷つけた鬼畜なその手口に迫る。
「大人の関係になったときは毎回、避妊はしませんでした」
「江尻は行為のときは毎回、『結婚するんだから避妊しないでいいでしょ』と言っていました。思い返すだけで身震いします」
今回の詐欺被害にあった、40代のシングルマザーFさんは涙ぐみながらこう訴える。
2022年秋にFさんが「気の合うパートナーができたらいいな」と軽い気持ちでマッチングアプリを始め、やがて知り合ったのが江尻容疑者だった。そして、Fさんは最初から“本気モード”の江尻容疑者を心から信用した。
「シングルマザーの身だと、『相手が重く感じるのでは』とどうしても気が引けて恋愛に積極的になれないんです。でも江尻は最初から私の家族も含め、大事にしたいと言ってきました。会うたびに子どもへのプレゼントも用意してくれました。大人の関係になったときは毎回、避妊はしませんでした」(Cさん、以下同)
Cさんはためらいながらも「一応、避妊してほしいんだけど……」と言うと、江尻容疑者は堂々とこう言い放った。
「え、なんで? 結婚するんだから、いつできたっていいでしょう?」
再び子どもを産み育てることを現実的には考えなかったものの、江尻容疑者のこの言葉は素直にうれしかったという。
「私と結婚したい思いは真剣なんだと思いました。しかも江尻は『自分は未婚で子どもがいないから女の子がほしいな』とも言ってました。行為前の愛情表現が豊かで、愛情深いと感じることはありました。でも行為自体は淡白で自己中、やたらと自分に自信を持っているようなことを言うので、そこはなんだか違和感はありましたが……」
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「実際はバツ2で実子も3人いて、孫まで1人」
その後、江尻容疑者と秘書役の武田容疑者の「財布をなくし、口座も凍結されたため、事業に必要な1000万円を数週間だけ貸してほしい」という言葉をまんまと信じてしまった。
金を貸した途端、江尻容疑者とは連絡が取りづらくなって会う機会も減り、2024年になってからは電話もLINEも音信不通になってしまった。そんな中、8月に突然「今後の返済方法と付き合いについて話したい」と連絡が入り、江尻容疑者と再会することになったという。
「そこで江尻は、『実は結婚詐欺を繰り返していた』と白状しました。私は江尻に『もし子どもができていたらどうしたのか』と問うと『堕ろさせてた』と言いました。そして半笑いで『とか言って年齢的にできないでしょ』と言われ……なんて酷いことを言うんだと。
人の気持ちを弄び、申し訳ないと思わないのかと聞いたら『大人なんだから了承済みでしょ』って。私を騙していた当時は未婚で子どもがいないなんて言ってましたけど、実際はバツ2で実子も3人いて、孫まで1人いることもわかりました」
また、前回(#1)の記事で取材に応じたBさんいわく、「江尻は数名の未婚女性とも結婚の約束をし、避妊もせずに行為をしていたようです」と言う。
「私は江尻から結婚詐欺の話を打ち明けられ、被害者の方に弁護士を紹介した身なので、何人もの被害女性と会いました。いろんな女性に対し避妊具なしで行為をしていたようで、なかには性感染症に感染してしまった女性もいたようです。
また、本当に妊娠願望もあった女性もいたので、騙されたとわかった今、毎日誰にもぶつけられない思いで鬱屈としているようです」(Bさん)