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「政治家」というと、どんなイメージがあるでしょう?
崇高な志をもって、国のために粉骨砕身する正義の人? はたまた、国のためどころか裏金で私腹を肥やすだけの権力者?
それぞれのイメージはありますが「政治家」といえ、私たちと同じ人間。その本質は時と場合によって変わってくるのかもしれません。
そんなことを考えさせられる『対外秘』が11月15日から公開。本作で描かれる政治家の姿から、人間の本質に改めて向き合ってみましょう。
■裏切られた政治家が選ぶ道は?
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『対外秘』は、1990年代の韓国を舞台にしたサスペンス。国会議員選挙へ出馬予定だったものの、直前で党の公認候補から外された政治家ヘウン(チョ・ジヌン)を軸に、周囲を取り巻く者たちの攻防を活写します。
メガホンを取ったのは、暴力団組長と刑事が共に殺人犯を追う『悪人伝』で名を馳せたイ・ウォンテ監督。同作で熱血刑事を演じたキム・ムヨルが、本作では一転、ヘウンに手を貸すヤクザ、ピルドに扮し、新たな魅力を披露しています。
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■ 1990年代の韓国にふさわしい景色
(左から、イ・ウォンテ監督、チョ・ジヌン、キム・ムヨル)
じつは先月10月28日から11月6日まで開催されていた東京国際映画祭に参加していたチョ・ジヌン、キム・ムヨル、イ・ウォンテ監督の3名。
1990年代の韓国を再現するべく、イ・ウォンテ監督は、景色を探して18000㎞も車を走らせたことや、ヤクザの役作りのため、キム・ムヨルに10kg以上の体重増加を依頼したことなど、作品の重い雰囲気とは対照的に、和やかにエピソードを語っていました。ちなみにキム・ムヨルは、次の作品との関係から、なんと1ヶ月で元の体重に戻したそう。
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■悪魔との取引が意味するところ
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そして、出馬直前で裏切りにあったヘウン役を務めたチョ・ジヌンは、「ゲーテの『ファウスト』のように悪魔と取引するようなシーンがありました」と述懐、ヘウンが転んでもただでは起きない策士であるのを示唆しています。
さらに「皆さんの人生においても常にそのような状況はありえると思います。この作品を通じて自分自身の行いを振り返ることができました」と続け、人としての本質に自ら向き合ったよう。
おそらく私たちの中にも悪魔は潜んでいて、隙あらば取引を交わそうと虎視眈々と狙っているのかもしれません。善悪よりも生き延びるための術として、ヘウンの選んだ結末に共感できるかどうか。その判断は、私たち一人ひとりに委ねられているのでしょう。
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『対外秘』
11月15日(金)シネマート新宿他全国公開
公式サイトはこちら!
(文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ)