ラーメンチェーン「天下一品」は、11月10日より一部店舗で先行発売していた「塩ラーメン」(税込970円=店舗により異なる)の全国販売を開始している。“あっさりよりもあっさり”をコンセプトに開発に1年以上をかけた自信作とのことで、どれだけあっさりしているのか、さっそく食べに行ってみた。

 同チェーンといえば、鶏ガラや野菜などをじっくりと炊き出して作ったこってりスープが人気だが、「あっさりラーメンでも濃くて食べられない」「もっとすっきりとしたラーメンも食べたい」という声も寄せられていたといい、ファミリー層を取り込むためにも“あっさりよりもあっさり”なラーメンの開発に着手したのだとか。

 目の前に現れた「塩ラーメン」は、スープが薄っすらと白く透き通り、見た目からして「天下一品」らしからぬビジュアルだ。まずはスープからいただいてみると…あっさりしていない?真鯛から出汁を取っているというスープは魚介の旨味が濃厚で塩味もわりと強めに効いている。間違いなく美味しい塩ラーメンのスープなのだが、あっさりかと言われると少々疑問符が付く。

 このラーメンのために作られたという特製の麺は、ツルツルシコシコの細麺。なので、しっかりとスープを拾い上げ、魚介や塩の味わいをしっかりと堪能しながらすすれる。また、トッピングされたワンタンは皮はもちっと弾力がありつつ、鶏肉を使用したという餡はあっさりしているが肉の旨味もしっかり感じられ、生姜のパンチも効いている。

 全体的な印象としては、出汁の旨味も塩味もしっかりしていて、トッピングもメリハリのある美味しい塩ラーメンだったが、決してあっさり系ではなかった。きっと“あっさりよりあっさり”というのは、あっさりラーメンよりはあっさり食べられるということなのだろう。確かに普段から「天下一品」のラーメンを食べ慣れている人からするとあっさりといただけるラーメンに仕上がっているので、サイドメニューの「こってり天津飯」なんかを合わせて食べても面白いかもしれない。

小林洋三

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