明治大学は11月15日、数多くの文豪が利用したことで知られる、東京・お茶の水の「山の上ホテル」が建設されている土地および建物を取得したと発表した。

発表によると、2031(令和13)年に創立150周年を迎える明治大学は、その記念事業の一環として、「山の上ホテル」の不動産を取得。再整備を実施する。現状の外観を維持したまま必要な改修工事を施した上で、専門業者と連携し、ホテル機能を継続させるとともに、学生支援、地域連携、社会連携の機能としても利活用ができるよう検討。明治大学の“新たなシンボル”として継承していくという。

「山の上ホテル」は、1937(昭和12)年、米国の建築家であるヴォーリズ(William Merrell Vories)氏の設計により、明治大学の校友であり、同大学専門部女子部校舎建設も支援した佐藤慶太郎氏(1890年卒業)の寄付を基に、当時の生活困窮者の生活改善などを目的に全国的規模で展開した「大日本生活協会」の本部として「佐藤新興生活館」という名称で建設された建物が始まり。戦時中は旧海軍、戦後はGHQに接収され、WAC(米国婦人陸軍部隊)の宿舎として使用。その後返還され、1954(昭和29)年1月から「山の上ホテル」となった。

そして竣工から86年を迎える建物の老朽化への対応を検討するため、2024年2月13日より休館。昨年10月の時点で、「休館期間等につきましては未定であり、決まり次第ご報告させていただきます」と発表していた。