齋藤彰俊引退興行となる11・17名古屋大会では、RATEL’S同門対決となるGHCジュニアタッグ王座戦「(王者)HAYATA&YO-HEYvsタダスケ&菊池悠斗(挑戦者)」が行われる。
11・9大阪大会で“金髪夫婦”HAYATA&YO-HEY組が、谷口周平&Eita組の挑戦を退けて3度目の防衛に成功。挑戦者として名乗りを上げたのが、金髪夫婦のセコンドに就いていた同門のタダスケ&菊池組だった。
菊池を迎えて“新生”RATEL’Sとしてリスタートを切ってから約3ヶ月。早くも同門対決となる王座戦が実現する。それぞれの思惑、見据える先、そして齋藤引退興行で行われる王座戦の意義。両チームにその胸の内を聞いた。
【タダスケ&菊池悠斗インタビュー】
――改めて金髪夫婦への挑戦を表明した理由というのは?
▼タダスケ「シングルのGHCジュニア挑戦者決定戦トーナメントで負けてしまったんですけど、次は何をやったろ?って思った時にタッグを狙っていこうと。あの試合でセコンド就いてましたけど、谷口&Eitaが勝っても挑戦表明するつもりでした。それに同じユニットやけど、金髪夫婦には思うところもあって。せっかくRATEL’Sがリスタートしたのに、金髪夫婦への注目ばかりが先行してる感じもあって。それも嫌やなと。金髪夫婦のパーカーが発売されて、なんでRATEL’Sのパーカーがないねん!? ユニットが先ちゃうんか!?って思いもあったり…だからRATEL’Sとしての存在感もっと出していこうと」
▼菊池「そうですね。原田さんがいてた頃のRATEL’Sの頃から『RATEL’Sのタッグチームといえば金髪夫婦』っていう印象があって。だから自分もそこを変えてやる!って思いでRATEL’Sに入ったんですよ。『RATEL’Sといえば菊池悠斗』ってお客さんだけじゃなくて、俺自身もそう思えるようにするには、実際試合するのが一番。確かにシングルのトーナメントで負けた直後やったんで悩む気持ちもあったんですけど、むしろ今しかないな!ってことで、そこはタダスケさんとも一致して」
――改めてお互いの印象というのは?
▼タダスケ「悠斗に関しては何の心配もしてない。逆にこっちが足引っ張らないかな…って思うぐらいで。まだNOAHに来て2ヶ月ぐらいしか経ってないですけど、さすがやなって思ってますね。(GHCジュニア次期挑戦者決定)トーナメントでのベインとの試合も、どっちが勝ってもおかしくないぐらいの試合してましたし」
▼菊池「自分の場合は子供の頃からタダスケさんの試合をみてきたんで。特にタダスケさんが大阪プロレスでヒールレスラーをやっていた頃がもの凄い好きで。闘い方も含めてヒールとしてかっこいいな…ってずっと憧れてきました。そのタダスケさんと組んでGHCジュニアタッグに挑戦できる。周りの人が思うより何倍も“何としても獲りたい!”って気持ちが強いですね」
――実際に二人でタッグを組んでみての感想は?
▼タダスケ「タッグも3回ぐらい組みましたけど、彼は小さい頃から大阪プロレスを見続けてきてるんで、自分の動きも全部分かってるんですよね。『これやろうや』って言ったら『あぁ、アレですね。分かりました』って。説明する手間が一切ないんですよ。めっちゃラクですよ。YO-HEYとも組んでましたけど全然、悠斗のほうがいい」
▼菊池「タダスケさんがいろんな人と組んできたのを俺もずっと見てきましたから。もちろん原田&タダスケ組も見てきたし、YO-HEY&タダスケ組も見てきた。だからタダスケさんに『これ分かる?』って言われたら、もちろん全部分かるんですよ。タッグとしての実績はないですけど、仲の深さだったら、そこは金髪夫婦に負けないものがあると思ってます」
――改めて“RATEL’S同門対決”に思うこととは?
▼タダスケ「確かにRATEL’Sは仲が良すぎるユニットではあるんですよ。でも“仲が良い”だけで売っていっても、RATEL’Sファンは喜んでくれるかもしれないですけど、他に響かない。俺はもっとRATEL’Sのブランドを上げたいし、他の人にも知ってほしいから、こういう闘いもできる!っていうとこを見せたい。だったらバチバチで真剣勝負でやらんと意味がない。ベルト懸かってるんで。おちゃらけは一切なしで」
▼菊池「こっちはずっと金髪夫婦のことも見てきたんで、何をやってくるのかも分かってるんですけど、逆に向こうが菊池悠斗って存在をちゃんと分かってるのかな?って思いはありますね。当たったことがない分、逆にHAYATA&YO-HEY組のほうが危ういんちゃうかな?って思いますよ。確かにRATEL’Sは絆という意味ではどこのユニットにも負けてないとは思うんですけど、自分がずっと言ってる『RATEL’Sを引っ張ってるのは菊池悠斗』って言葉を試合を通じて証明したい。だからタダスケさんじゃなくて、自分が試合を決めなきゃいけないと思ってますね。菊池悠斗がHAYATAとYO-HEY、どっちとも食ってやるつもりで挑むし、そうすれば自然とRATEL’Sの絆も深まるだろうし、RATEL’Sの凄さも伝わると思ってます」
――齋藤彰俊引退興行で行われるタイトルマッチ、どんな思いがある?
▼タダスケ「個人的な話をすると、齋藤さんの引退試合を見たらめっちゃ泣くと思いますね…自分。小川さんの時も凄い悲しかったし…。むちゃくちゃ良くしてもらったんで。齋藤さんの試合って魂がこもってて、いつも熱い。だから自分らも魂こめた試合をみせたいと思います」
▼菊池「齋藤さんが引退表明されてから、いろんな動画も含めてコメントはすべて聞いたり、読ませていただいてきたんですけど、その中で宮脇純太に『ノアジュニアを頼んだぞ』って言われてて。齋藤さんとはそこまで長いお付き合いをしているワケではないんですけど、『宮脇だけじゃなくて菊池悠斗もいてたら安心だな』と思っていただけるような、そんな試合をしたいと思ってます」
【HAYATA&YO-HEYインタビュー】
――同じRATEL’Sのタダスケ&菊池悠斗組の挑戦を受けることが決まった
▼YO-HEY「谷口周平が次は70kgぐらいまで減量してリベンジしてくるのかと思いきや、ここで来たかと。ロマンティックに武道館とか狙ってタダスケ&悠斗が来るんちゃうか?とも思ってたんですけどね。でも『待ってましたよ』と。ね?」
▼HAYATA「……(うなずく)」
――タッグチームとしてタダスケ&菊地組をどうみる?
▼YO-HEY「この前組んで戦ってるのみましたけど、連係のボキャブラリー多いなと思いましたね。そんな何回も組んでないはずなのに」
――菊池は小学校の頃からタダスケの動きをみてきて、細かい説明無しで連係できるそう
▼YO-HEY「ゲ…しかもまだまだ引き出しありそうだし、ひいてはRATEL’S対決、タイトルマッチとなれば、あの二人もガッチリ気合い入れてくるだろうし。やばいな…ただでさえ噛み合ってるのに、まだまだ伸びしろがあるってことで。何やってくるか分からんし、考えたら十円玉ハゲどころか全身の毛が抜けるほどの恐怖をおぼえますよ」
▼HAYATA「……(虚空を見つめる)」
――しかもタダスケは『YO-HEYと組んでた時より組みやすい』と
▼YO-HEY「マジか。それはいかん。それは怒りますよ。それじゃ見せつけてやりましょうか、金髪夫婦を。そして自分、たぶん悠斗と試合したことないんですよ。向こうが何やってくるか分からない以上、こっちも今までとは違った“想定外”を投入しないとな…これから作戦会議やな」
▼HAYATA「……(うなずく)」
▼YO-HEY「毛が抜けてピカピカの状態やから、ひらめきが生まれるかもしれんしな」
▼HAYATA「……??(うなずかない)」
――とにかく想定外には想定外で対抗すると
▼YO-HEY「イエス」
――菊池がキーマンになりそうだが、RATEL’Sに入ってからの菊池悠斗のファイトをみて?
▼YO-HEY「言葉も持っとるし、言うだけのこともしとる。強いヤツやなと。マグニチュード岸和田さんみたいな口調で『ブゥラック・イィグルゥウ』(※ブラック・イーグル)とか言うけど、試合でもそれだけのモン見せてて。しゃべり方なんか似てるんですよね、マジで。マグニチュード岸和田イズムを感じますね」
――タダスケは『この同門対決でRATEL’Sのブランドをいかに上げるかも勝負』と言っていた
▼YO-HEY「それはまさにその通り。ノアジュニアというより“NOAHにRATEL’Sあり”というのを見せる試合にしないと。シングルのトーナメントでもRATEL’Sから3人出て、一回戦突破できたのは悠斗だけでしたから。『RATEL’S仲良しこよし、しすぎてんちゃうんか?』って思われるタイミングでもあると思うんで、こういうタイミングでガッチリやり合う機会が来たことは良かった。自分ら4人、100%スゲーもんは見せられる自信はあるんで」
――そして齋藤彰俊引退興行で行われるタイトルマッチとなるが?
▼YO-HEY「見た目はゴツくて怖そうなイメージでしたけど、NOAHに来た当初から彰俊さんはずっとニコニコしてくれてたんですよね。どこぞのモンか分からないようなチャランポランな自分とかにも、いつもニコニコ話しかけてくれて、冗談とか言って和ませてくれたり。その優しさこそが、強さなんだなって教えてもらったというか」
――だからこそ当日はどんな試合を?
▼YO-HEY「自分がとやかく言う立場じゃないかもしれないですけど、ヘタな試合して齋藤さんの引退興行に泥は塗れない。RATEL’S対決でガッチリ見せつけて防衛することで、感謝の気持ちを伝えたいと思ってます」
▼HAYATA「…同じや!!」