最終戦グループリーグ敗退のメドベージェフ、7年ぶりに無冠でシーズンを終えるも「タイトルはあまり気にしていない」と楽観視<SMASH>

 男子テニスのシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/室内ハードコート/FIN)でグループリーグ敗退を喫した世界ランク4位のダニール・メドベージェフ(ロシア/28歳)。これにて無冠でシーズンを終えることとなったが、当の本人は「タイトルのことはあまり気にしていない」と楽観視している。

 シーズンを通して好成績を収めた上位8名が出場できる最終戦、ツアー20勝を誇るメドベージェフはイリ・ナスターゼ・グループとして参戦。アレックス・デミノー(オーストラリア/9位)に快勝するも、テイラー・フリッツ(アメリカ/5位)とヤニック・シナー(イタリア/1位)にはいずれもストレート負けし、ベスト4進出とはならなかった。

 記者会見でメドベージェフは苦戦を強いられた今年1年を振り返りつつ、思うように勝てていない現状をこう嘆いた。

「多くの選手がいて求められるレベルも厳しいこのスポーツで、僕は世界1位になりたいけど、今年はそうなるための十分なプレーができなかった。練習も試合も苦しかったね。以前は相手より優位に立つことが多く、簡単に勝てたと感じていた。でも今は、フルセットやタイブレークを勝ち切ったり、セット終盤のブレークなどをもぎ取ったりしなければならない場面が出てきている」

 ちなみに今季のメドベージェフは1月の全豪オープンと3月のBNPパリバ・オープンの2大会で決勝に進んだもののいずれも準優勝。タイトルなしでシーズンを終えるのは当時21歳だった2017年以来7年ぶりのことである。
  それでも特に悲観はしていない様子だ。「今年は10点満点中6.5点くらいかな。もっと良くなるにはまだまだ努力が必要」としつつ、「それでもいい思い出がたくさんある。すでに来シーズンが楽しみだよ」とポジティブに語る。

「タイトルについてはあまり気にしていない。常に言っているように、どの大会も勝つのは難しい。今年に関してはいくつかの大会で優勝できたかも、とは思うけどね。今季はATP500を3度出場したが、残りは全てマスターズと四大大会ばかりだった。

 もちろん、他の(小規模の)大会よりもマスターズや四大大会で優勝したいけど、もしかしたら別の大会でまた優勝できるかもしれない。今季はとても良い結果が出た時期もあれば、とても悪い結果が出た時期もあった。でも僕からすればそれで良いんだ」

 優勝が1度もなかったメドベージェフ。ひとまずは来季に備え、オフシーズンでしっかりと心身をリフレッシュしてほしい。

文●中村光佑

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