現地時間11月19日に開催される北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第6節で、勝点13で首位の日本は、同6で4位の中国と敵地で対戦する。15日にインドネシアを4-0で下し、2位との勝点差を7に広げたなか、中3日で再びアウェーゲームを制し、8大会連続のW杯出場にぐっと近付けるか。
決戦の地は廈門(アモイ)。福建省の南部に位置し、温暖なリゾート地としても知られている。日本では寒さが厳しくなってきているなか、夜でもTシャツ1枚で過ごせる程よい気候で、高温多湿のジャカルタと比べ、サッカーをするにはより適した環境だ。
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街の規模は、飛行機からきらびやかなネオンで賑わう様子が窺え、高層ビルが建ち並ぶように、比較的大きめで都会感を感じられる。
地下鉄でアクセス良好な日本代表の練習会場も、広々としたスポーツ複合施設と言える作りになっている。周辺では人工芝と一般的な公園の芝の2面で中高生くらいの女子選手がサッカーの練習と試合をしていたほか、複数の男性が上半身裸で仕上がった身体を見せながら、ぐるぐると走り回り、心地良い汗を流していた。
さらには充実したテニスとバスケットボールのコート、太極拳なのか剣を持ってレッスンを受ける年配の女性も。老若男女のスポーツ好きが集い、活気に溢れていた。
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中国ではバスケ人気が高まっているようで、タクシーで空港からホテルに向かう際、こんな出来事があった。
私が「サッカーの日本対中国の試合を取材しに日本から来たんだ。サッカーは好き?」と尋ねると、20代後半から30代前半くらいの男性運転手は「自分はバスケが好きなんだ」と言い、「小さい頃の思い出の曲」として『SLAM DUNK』の主題歌『君が好きだと叫びたい』を流してくれたのだ。
ちなみに、その次に流れたのは宇多田ヒカルさんの名曲『Automatic』の中国語カバー版だった。
話が脱線してしまうが、練習会場近くのホールで、久石譲さんの楽曲と新海誠さんが手掛けた映画の音楽のコンサートが予定されていることからも、「日本文化が受け入れられているな」と感じられた。反対車線からも分かる大きなポスターが貼られており、「久石让」と「新海诚」の名前が存在感を示していた。
ただ今のところ、現地で“ビッグマッチ”が迫ってきている熱はあまり感じられない。長友佑都がジャカルタ入りした際の心境を「ハリウッドスターになったような気分」と表現したことから分かる、インドネシアでの日本代表フィーバーを考えれば、それはより一層際立つ。
武漢で戦った2015年8月の東アジアカップ(1-1)以来、9年ぶりの中国決戦は当日、一体どれほどの盛り上がりを見せるだろうか。
取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)
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