赤坂アカと横槍メンゴのタッグによる大人気漫画を実写化するドラマ&映画『【推しの子】』のワールドプレミアが11月17日にザ・プリンスパークタワー東京で行われ、櫻井海音、齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あの、吉田鋼太郎、倉科カナ、金子ノブアキ、要潤、スミス監督、松本花奈監督が出席。ライブ会場を彷彿させるような豪華特別ステージに400人を超える観客が集まり、キャスト陣が登場するとサイリウムの輝く会場から大歓声が沸き起こった。
ドラマ&映画『【推しの子】』のワールドプレミアが開催された
【推しの子】は2020年に週刊ヤングジャンプにて連載がスタートするや、伝説的アイドルであるアイの子どもとして転生するファンタジックな設定とショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇なく切り込む他に類を見ない斬新なストーリーに衝撃が走り、幅広い世代に話題沸騰。コミック累計1800万部を突破し(2024年8月現在)、アニメ第2期の放送を終えてもなお反響を呼んだ。本作は、Amazonと東映が手を組んで【推しの子】をドラマシリーズ&映画で実写映像化したもの。
オープニングアクトから熱気ムンムン!ドラマ&映画『【推しの子】』のワールドプレミアの様子
この日は、劇中アイドルである「B小町」によるオリジナル楽曲「我ら完全無敵のアイドル!!」の映像に合わせて、パフォーマンスグループ「ゼロから打ち師始めます。(ゼロ打ち)」がオープニングアクトとしてヲタ芸を披露。会場に熱気が帯びるなか、メンバーがステージに姿を現した。主人公のアクアを演じる櫻井は、ちょうど昨年の11月17日は本作のクランクインだったと振り返り、「やっと皆さまにお届けできる日が来た。裏で皆さんが(ステージに)登場するのを見ていて、泣きそうになりました」と照れ笑いを見せた。
櫻井海音、原作の大ファン!
「オファーをいただく前から原作の大ファン。もし【推しの子】が実写化するならば、アクアをやらせていただきたいと思っていた。そうしたら本当にオファーをいただけた。とても光栄」とアクア役は、櫻井にとって憧れの役だったとのこと。「これだけ人気の作品を実写化するということに対して、最大限の愛とリスペクトを持って接しなければいけないと思った。アクアが原作ではどういうふうに立っているのか、セリフの言い回しはどうしているのかなど、毎回確認しながら再現性を追求している毎日でした」と原作を深く読み込みながら没頭したと回想しつつ、「プレッシャーもありましたが、現場に入ってからは決して一人で戦っているわけではなく、組全体で同じ方向に向かっているんだという感覚がものすごくあった」と一致団結した現場の情熱に支えられたと力強く話していた。
齋藤飛鳥、「スタッフさんの熱意を受け取った」
伝説のアイドルであるアイに扮したのが、齋藤(飛鳥)だ。アイは「初代B小町」不動のセンターで天性の輝きを放つアイドル役とあって、一度オファーを辞退していると告白した齋藤(飛鳥)。「マスコミの皆さん、ポップに書いていただけたらとうれしいんですが」と前置きしつつ、「素直にやりたくなくて。お断りさせていただいた」と大きなプレッシャーを感じたと苦笑い。「私がやる必要性はないんじゃないかなと思っていたんですが、それでも再度オファーしていただいて。【推しの子】を実写化するにあたってなにを描きたいかという話を具体的にいただいて、私でももしかしたらアイを演じられるかもしれないと思った。スタッフさんの熱意を受け取り、頑張ってみようかなと受けさせていただきました」と悩みながらも、火をつけられた胸の内を打ち明けていた。「乃木坂46」を卒業して、現在は俳優として話題作への出演を重ねている齋藤(飛鳥)だが、「約12年くらいアイドルをやらせていただいた。卒業してから、この役だったので。相当な覚悟が必要でした」とも。「自分のファンの人がもう二度とアイドル姿の私を見れないと思っていたのに、見られる。そういう意味でも、楽しんでいただけたらいいかなと思っていました」とファンの存在にも背中を押されたと語っていた。
齊藤なぎさは「アイドルが大好き!」と話した
齊藤(なぎさ)は、アイの子どもで、アクアの双子の妹であるルビー役を演じている。ルビーはアイとアイドルに憧れ、自身も「B小町」のメンバーとしてアイドルの道を突き進んでいくキャラクター。齊藤(なぎさ)は「私は『=LOVE(イコールラブ)』というグループで、13歳のころからアイドルをやらせていただいた」と切りだし、「小さなころからずっとアイドルになるのが夢で、アイドルが大好きで、アイドルをしている最中もアイドルが大好きだった。アイドルに対する強い憧れは、自分自身も持っていたのでうまく演じられたんじゃないかなと思います」とにっこり。「歌もダンスもたくさん覚えることがあったんですが、久々にアイドルをできている!とすごく懐かしい気持ちになりました。ファンの皆さんも喜んでくださって、私もうれしい。たくさんアイドル姿、演技している姿も焼き付けていただけたら」と齋藤飛鳥と同じく、久々のアイドル姿も見てほしいとアピールしていた。
原菜乃華、有馬かなに共感たっぷり!
元天才子役の女優で、「B小町」としてアイドルの活動をスタートさせる有馬かな役の原は、原作を読んでいても「有馬かなに感情移入しすぎた。過去一番、共感できる部分の多いキャラクターだった」としみじみ。「そういった役を演じさせていただけるのは、うれしいなという想いもあった。物心ついてから初めてできた夢がアイドルになることだったので、こんな最高の形で叶えさせていただけるなんて、本当に夢のような時間でした」と大きな笑顔を見せていた。天才女優である黒川あかね役の茅島は、「監督や皆さんともたくさん相談させていただいて、髪色や声のトーンを上げたりもしました。アクアと出会ってから変わっていくあかねちゃんを意識して、演じていました」と役作りについて話していた。
あの、ドラマ&映画『【推しの子】』で新境地を開いたという
大人気インフルエンサーで、ルビー&かなと「B小町」を結成するMEMちょ役のあのは、「僕はいままでやったことがないことがいっぱいありました」と新境地になったとコメント。「髪型や髪色もずっと黒だったんですが、初めて金髪にしたり。撮影時期にYouTubeを始めてみたり、MEMちょの気持ちってどんなだろうと興味が湧いてきた。自分もアイドルをやっていたんですが、その時には感じられなかったことを、MEMちょは感じているなと思いながら、役を務めさせていただきました」とそれぞれが演じた役柄に深い愛情を傾けていた。
茅島みずき、あかね役に挑戦
人気原作の実写化に挑んだスミス監督は、「迷ったら原作を見ようということ。そして漫画の3D化ではなくて、漫画のストーリーをドラマにしたいという気持ちでやりました」と原作のおもしろさを再現することに加え、リアリティを胸に刻みながら臨んだと強調。松本監督は「いろいろなシーン、シチュエーションがあって、いろいろなことがある」としながらも、根底には常にアイの死とその悲しみが流れていることを大切にしていたという。
アクルビ、息ぴったり!周囲からの「おじさんくさいところがある」との評価に苦笑いの櫻井海音
撮影現場には原作者の赤坂と横槍も見学に訪れたそうで、スミス監督は「かなり満足していただけた様子だったので、うれしかった」、櫻井も「先生方がフランクにお話してくださって、安心感があった。実写化や現場に対して前向きに思ってくれていることが、ものすごく励みになりました」と感謝しきり。先日、原作は約4年半の連載に幕を下ろしたが、櫻井は「連載お疲れ様でした。いち読者、ファンとして【推しの子】という作品に出会えたことを本当にうれしく思っています」と労いつつ、「最大限向き合って、愛とリスペクトを持って作りあげました」と改めて作品への並々ならぬ思い入れを語り、大きな拍手を浴びていた。
『【推しの子】』全8話のドラマシリーズは、Prime Videoにて11月28日(木)21時よりプライム会員向けに世界独占配信。その続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』は12月20日(金)より全国公開となる。
取材・文/成田おり枝