人気マンガを原作とした実写作品では、物語の再現度やキャスティングなど原作ファンが納得するような高いハードルが求められます。なかには、キャスティング発表時に「イメージと合わない」などの声があったものの、公開以降その評価を覆す高い再現度を見せた人気女優もいました。
石原さとみさんはすき家の「うな牛」のCMでも可愛かったが、『進撃』ではまさかの姿に?
【画像】え…っ? 「見た目も笑顔も仕草も似てる」「でも消せない美人ぶり」 こちらが石原さとみさんが再現した『進撃』ハンジです
まさかのマッドな役を演じて高評価?
人気マンガ原作の実写作品は、キャスティングが特に注目を集める重要なポイントです。先日までWOWOWでドラマも放送されていた実写『ゴールデンカムイ』では、山田杏奈さんが1周りほど年齢の違うアイヌの少女「アシリパ」を再現し、驚きと称賛を集めました。他にも、もともとイメージがなく、当初「絶対合わない」との声があったキャラを演じ、「ハマり役」と評価が一変した女優たちがいます。
『進撃の巨人』ハンジ:石原さとみ
人気マンガ『進撃の巨人』(作:諫山創)は、2015年に2部作で実写映画化されています。原作が世界中で愛される人気作とあって、豪華なキャスティングも話題になりました。
なかでも注目を集めたのが、主人公「エレン・イェーガー(演:三浦春馬)」が所属する調査兵団のベテラン団員「ハンジ・ゾエ」役を演じた石原さとみさんです。
人気キャラのハンジは、気さくな性格でありながら、巨人に対して異常なまでの興味を抱く「巨人愛好家」というユニークな一面を持っています。のちに美容誌「美的」の「なりたい顔」ランキングで3年連続1位になるほどの美人で、おっとりとした雰囲気がある石原さんのキャスティングが発表された際には「原作のイメージと合わない」「マンガでは男か女か分からないようなキャラなのに」など、否定的な声もありました。
しかし、石原さんは、エレンの巨人化を目の当たりにし、「こんなのはじめてぇー!」と泥だらけで叫ぶシーンなど、ハンジの狂気と親しみやすさを巧みに演じ分けました。映画自体は改変も多く否定的意見が目立つ結果となってしまいましたが、石原さんの演技は否定派の人たちの間でも高い評価を受けています。
『約束のネバーランド』エマ:浜辺美波
人気マンガ『約束のネバーランド』(原作:白井カイウ/作画:出水ぽすか)は、2020年に実写映画化されました。本作は、孤児院を装い「鬼」の食料として子供を育てる「人間飼育場」から、主人公「エマ」たちが脱出を目指す物語です。
実写版では、子供たちが「出荷」される年齢の上限に変更があり、浜辺美波さんが演じたエマは11歳から15歳になっています。
年齢設定だけでなくさまざまな改変に批判もありましたが、浜辺さんはエマの純粋で正義感が強く、優等生らしい原作イメージを見事に再現し「エマが小さい子供たちと鬼ごっこするシーンが原作のままだった」「エマとママ(演:北川景子)との最後の会話は、両者の演技力もあってすごく良かった」「年齢が違う違和感はもちろんあるが、微妙な表情の変化から、天真爛漫な破顔、しかめっ面も見事」などと評価されています。
『アイアムヒーロー』小田つぐみ:長澤まさみ
花沢健吾先生によるマンガ『アイアムヒーロー』は、2016年に大泉洋さん主演で実写映画化されました。
冴えない漫画家アシスタントの「鈴木英雄(演:大泉洋)」が、謎のウイルスに感染し「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれるゾンビと化した人びとに襲われながら生き延びていく本作で、長澤まさみさんは態度は荒っぽいものの性格はやさしい元看護師の「藪」こと「小田つぐみ」を演じています。
原作のイメージに比べると、長澤さんは「美人すぎない?」との声もありましたが、サバサバした雰囲気と同時に優しさを感じさせる演技で、原作ファンからも「戦闘が落ち着いて一服する姿が似ていた」「美人化しているけど時折見せる男らしさに惚れた」と評価を覆し好評を得ています。ちなみに、原作の小田と英雄の関係の発展や、その悲惨な最期を知っている人は「長澤さんがあのシーンもやってくれるのか」と期待、不安の声が出ていましたが、残念ながら続編は出ていません。
※アシリパの「リ」は小文字