“世界を不安にさせるイニシエーション・スリラー”として話題の映画『クラブゼロ』が新宿武蔵野館をはじめ全国公開中となっています。今回は12⽉8⽇(⽇)に行われた『クラブゼロ』公開記念トークイベントの様子をお伝えしたいと思います。
プレゼンターはアングラニッチ潜入の第一人者であるルポライターの村田らむさん、そしてGANG PARADE元メンバーにして、熱烈な映画ファンの寺嶋夕賀さんのお二人。カルト風味にして怪しさ満載の本作の“ハマるとヤバい魅⼒”について語っていただきました。
<※本記事はストーリーの一部ネタバレも含みます>
村田らむさん
https://twitter.com/rumrumrumrum [リンク]
ライター、イラストレーター、漫画家。ホームレス、ゴミ屋敷、青木ヶ原樹海、スラム、廃墟などアングラでニッチなネタが得意。最新の著作は 『人怖3人を恐怖で染める日常の狂乱』(竹書房) 『非会社員の知られざる稼ぎ方』(光文社) 『禁断の現場に行ってきた』『こじき大百科』『ホームレス消滅』『ゴミ屋敷奮闘記』『樹海考』、丸山ゴンザレスさんとの共著『危険地帯潜入調査報告書』など。最近ではYouTubeチャンネル『リアル現場主義!!』でいろいろ配信中。
寺嶋夕賀さん
https://x.com/yuyucinema [リンク]
GANG PARADE元メンバー。2016年からテラシマユウカとして活動し2024年12月に円満脱退。現在はフリーの映画コラムニスト、アンバサダーとして強い映画愛を掲げ、精力的に活動中。
『クラブゼロ』ストーリー
名⾨校に赴任してきた栄養学の教師、ノヴァク(ミア・ワシコウスカ)。彼⼥は“意識的な⾷事/conscious eating”という、「少⾷は健康的であり、社会の束縛から⾃分を解放することができる」という⾷事法を⽣徒たちに教える。
無垢な⽣徒たちは彼⼥の教えにのめり込んでいき、事態は次第にエスカレート。両親たちが異変に気づきはじめた頃には時すでに遅く、遂に⽣徒たちはノヴァクとともに【クラブゼロ】と呼ばれる謎のクラブに参加することになる――。⽣徒たちが最後に選択する、究極の健康法とは︖そしてノヴァクの⽬的とは︖
すごく可愛らしいポップなのを想像してたら……
村田らむさん: よろしくお願いします。ライターなどをしております村田といいます。
寺嶋夕賀さん: 元々アイドルとして活動していましたが、今は映画の発信をメインに活動しております寺嶋夕賀です。お願いします。
寺嶋: クラブゼロ、まずは私たちの感想から話していきたいと思うんですけど、らむさんどうでしたか。
村田: なんか嫌な映画でした(笑)。食欲が下がる映画だなと。僕は映画観るときは情報全然入れずに観ることが多くて。今回も、最初はドキュメンタリーかどうなのかもわからないような感じで観てましたから、「あれ?リアルなの?」とか思って、ちょっとドキドキするところありましたね。
寺嶋: そうですね。私も全然前情報を入れないで観るタイプなので、この(ポスター)ビジュアルのすごく可愛らしいポップなのを想像してたら、すごい詐欺にあったような気分になって!(笑) 意外とカルト映画って観たことなかったなっていうのに気づきました。
なんか自分が許容できない、引いちゃうくらいの気持ち悪さがあって、すごく新鮮でした。
村田: なんか吐く、とかはあるけど、(直接的に)グロいシーン自体はそんなないですね。
寺嶋: ないですけど、……なんなんでしょうね。映像としてちょっとキューブリックっぽい撮り方だったりとか、でも色味はウェス・アンダーソンっぽかったりとか。なんかそういったポップさと不穏な画角が相まって、困惑していました。
こういうカルトのことについて私は全くの初心者なので、今日はらむさんにめっちゃいろんなことを聞いていきたいです。
村田: 僕が入信したことがあるのはオウム真理教関連と、宇宙人を信じてるフランスの宗教団体。これらはがっつり潜入して、他にもパラパラと色々行ってます。自己啓発セミナーとかそういうのですね。
寺嶋: どんなスパンで行くんですか。
村田: 当時は「潜入してきてください」って言われて、普通にオウム真理教の道場のところ行って、ピンポンして「入りたいんですけど」って。で、入るっていう感じでした。(笑)
寺嶋: 気軽な感じでいけるんですね。
村田: 向こうからも気軽な感じで「どうして入りたいの」って言われるから「ちょっと悩みがあって」とか言うと、向こうが「修行やっちゃう?」「修行やったらそんな悩みポーンとなくなっちゃうよ!」とか言われた感じで始めて。
寺嶋: そんな明るい感じなんですね!
村田: 明るかったですね。その団体に関して言うと、結構修行が厳しい。毎日トレーニングでした。五体投地(地面に体を投げ伏す形の祈り)を1時間した後に本を読んでとか。
もうほんとに、寝ること、食べること、セックスすることが悪いこと、っていう考え方なんです。だからそこもやっぱり、食べ物も基本的に食べないように食べないように。
寺嶋: そうなんですね。
村田: そういうところ多いですよね。宇宙人信用する方の団体も、これ食べちゃダメとかはあんまりないけど、やっぱアルコールはダメ、ニコチンはダメ、カフェインもダメっていう感じでした。どこの団体も食べ物は縛ってくるかな。
寺嶋: 欲を断ち切るっていう感じなんですか?
村田: そうですね。何のかんの昔からのパターンですよね。豚を食べちゃダメとか。
で、そういう仲間意識もできてくるってのはありますよね。自分たちはみんなよりもひとつ次元の高いところでやっているんだ!っていう。
そこでしか友達がいなくなる
寺嶋: じゃあ、この作品に描かれてることって、まんまリアルな感じです?
村田: リアルですね。でもちょっとね(現実の方が)楽ですよ。
(映画の)彼らは学校なので、そこまで「飛んで火に入る」っていう感じではないんだけど、宗教の場合は(対象が)「信じたくて」来るからそんなに言わなくても、もう落ちちゃう。あんまり落とそうとしなくていいんです。
ただ映画で「すごくリアルだな!」と思ったのが、─ちょっと逆らう感じの男の子いたじゃないですか。嫌がって最初クッキー食べてるような男の子。ああいう人ってね、結構どの宗教団体にもいるんですよ。ナメて入ってくるという。
寺嶋: そうなんですね。自分で飛び込んだはいいものの(反抗する)?
村田: というかね、「俺が見破ってやる」とか「言い負かしてやる」と入ってくる。だけど、もう宗教団体の方とかは、そんなの百戦錬磨なんですよね。
そういう反抗的な人が討論とかになって説き伏せられると、劇中の彼みたいにすごく熱心な信者になるんですよ。「俺を言い負かしたなんて!」ってなっちゃう。
だからね、それは結構危険だし、それっぽいよなと思いました。
で、途中で2人抜けるじゃないですか。
ああいうこともよくあるんですけど。2人が抜けるところは、やっぱいいタイミングというか、あのタイミングで抜けないと抜けられなくなるっていうタイミングなんです。
これはね……、おっと、企業名を言いそうになった(笑)。マルチビジネスのところ、僕、もちろん入ったことあるんですけど、そこでしか友達がいなくなるんですよ。
マルチビジネスもそうだし、新興宗教でもビーガン系のところとかも、勧誘をさせられるようになるんですね。
この作品とかも、勝手に「不食」することに問題はないんですよ。別に自分が好き勝手に食べないで死んでも、特に誰かに迷惑はあまりかからないし、ベジタリアンをやろうが、何を食べなかろうがいいんだけど、この(勧誘するタイプの)ビーガンとかは、「その思想を広げていこう」っていうのが根底にあるんですね。
宗教団体っていうのは、広げていこうっていうのが大前提にあるので、やっぱりみんなに広げていってしまうわけですよ。電話をかけて「こういう宗教があるんだけど」とか言ったら、ほとんどガチャ切りですよ。あいつからのLINEは取らないようにしようって、ブロックされていっちゃったりする。
すると、そこ(団体内)でしか友達がいなくなっちゃうんですね。
宗教とか入ってて「これは騙されてるな」とか「怪しいな」って思うことはあるんだけど、“今ここで辞めてしまったら、もう友達が誰もいなくなってしまう状態”になってしまう。
寺嶋: 抜けられないんですね。
村田: そう。で、この映画では他の学友とか他の授業の様子は描かれていないけど、多分ちょっと浮いてきてると思うんです。で、5人だけの世界観みたいになってくると、もう抜けられなくなる。抜けてしまうと、行き場所がなくなってしまうと思ってしまう。そこからは結構、地獄になっていくことが多いですよね。
カジュアルにバンバン入信させてしまう
寺嶋: 映画ではノバック先生が子供たちに洗脳するじゃないですか。
現実のカルト系のイメージとしては親から子、2世代にわたってそういうのに入ってたりとかする一方で、映画では子供が洗脳されちゃって、親はそれに気づくのが遅くなって手遅れみたいなことになってたと思うんですけど、そこから親まで洗脳される可能性ってあるんですか。
村田: 親から子はめちゃくちゃ多いですよね。だから二世信者ってすごく多い。僕がオウム関連に入ってた時、だいたい悩んだり病んでる人が多いんですけど、二世の人っていうのは、もう生まれた時からその状況だから、もう非常にのびのびと入ってて。専門学校の18、9歳くらい、見た目も爽やかな男の子とかは、たちの悪いことにバンバン連れてきちゃうんですよ。
寺嶋: ええっ!(笑)
村田: 学校でナンパした女の子に「ヨガの教室だよ」って言って連れてきたり。そんな感じでバンバン入信させちゃってて、その(入信させられた)親御さんから見たらたまらないですけれども、でも結構そういうのはあるんです。
寺嶋: そうなんですね。
村田: あとね、子供が先にハマる場合は親が「出してあげよう」「自分も理解してあげよう」みたいな感じで入って、こじれるみたいなのがありますけどね。
寺嶋: なんか、子供がバンバン呼んできちゃうっていうのが、結構純粋無垢というか……。カルト団体って、このノバック先生みたいに本当に心から信じてるものがあるからそれを広めたいっていう純粋な場合と、本当に悪巧みというか「悪」の場合の2つありますか?
村田: あります。悪の場合の方がたちがいいですね。
寺嶋: えっ!!そうなんですね。
「善意に終わりはない」からヤバい
村田: 日本だと、足裏を信じてる「最高ですか」と言ってたような宗教団体があるんですけど、そことかはあからさまに金取ろうっていう詐欺系の宗教団体で、信仰させてお金を取ろうっていうのが、もう目に見えてたところなんです。そういうところって(人を)殺す意味がないので、生かさず殺さず、泳がしてお金を取ろうみたいな、『マルサの女2』に出てきた宗教団体みたいな感じですね。根っこが詐欺。
でもオウムとかの良くないヤバいところは、ほんとに「正しいことしよう」とか、「善」を信じてるとこなんですよね。
で、この作品のヤバいのは、このノバック先生が多分そういうタイプだからヤバい。
なんか「世界をいい方に進めたい」とか言ってる人が一番ヤバいっていう。
だからね、新興宗教とかに実際に入ると──意外がられることも多いんだけど、みんな良い人なんですよ。
優しくて、親切で、他人の気持ちのわかる、励まし合う人たちなんです。世界が良くなってほしいと思ってるし、格差がなくなってほしい。動物たちは苦しまないでほしい。
まこと正しいことを思ってるんだけど、そういう人たちが一番ヤバいことをやらかすっていうのがカルトのヤバいところです。
寺嶋: その人たちの信念が固いほどヤバいっていう。
村田: そうですね。だって、金稼ぎたいと思ってる人は金稼いだら終わりですけど。
寺嶋: たしかに! お金稼ぎは終わりがあるけど、そっち(善意)はないんだ。
村田: そう。世界が平和になってほしいとか、全員が動物食べるのやめてほしいなんて、なかなか叶えられないですからね。そういうのはやっぱ難しい。
寺嶋: そういった洗脳が終わるタイミング、解けるタイミングってどういうきっかけがあったらできるんですか。
村田: これがね、徐々に解けたりするんだけど、費やしっていっちゃうわけですよ、お金とか時間を。
何日もお布施を出していって、お題目も何回も読んできた。そうなると「ここで辞めたら今までやってきたこと、みんな無駄になるかもしれない」と思うから、解けててもね、解けてないことにする(心中の)せめぎ合いがあるんですね。長い人はね、10年もせめぎあっちゃうんですよ。
で、そういう人ってもうね、バネの力が溜まってるから、やめるとめちゃくちゃなアンチになることが多いんです。
寺嶋: 人間の性質ですね。やめられないっていう。
村田: さっきも言いましたけど、やめちゃうと孤独になるっていうのがやっぱり大きいかもしれないですね。
寺嶋: なるほど。なんかこの映画では結構生徒がそれぞれ裕福な子が多いんですけど、裕福の中でもちょっと満ち足りてないところ、そういうところがある方がはまりやすいというのはありますか?
村田: なんかぼんやりとした不安感とか不満感っていうのは、なかなか癒されないものがありますよね。とにかくお腹が減ってるから食べたら治る、みたいなのじゃないので、なんか理解してもらえないとか、そういうのが困ったもんですよね。本当に。
寺嶋: そうですね。みんなが栄養学の授業を取った理由が、比較的意識の高いところがありました。なんかリベラルっぽい、自意識や、自己表現の欲求があったからこそ、さらにハマっちゃったのかなっていうことも思ったりしました。
村田: そこは多分ヨーロッパの気質みたいなのもあると思うんですけどね。ビーガンであったりSDGsとか、そういうのが好きなところがある。
新興宗教などを取材していると、入口はもうSDGsですよ。「SDGsのこと考えましょう」っていうのを大学とかでやって、集まってきた人をガサッて宗教に入れちゃうっていうのはあるんで。
他人が死んで大笑いする「カルト」
寺嶋: 実際に行って「これヤバかったな」という経験談とかありますか。
村田: (潜入で)修行を夜までして、週末だと勉強会があるんです。ホワイトボードの前で出家信者が、最近入ってきた信者に教義とか教えるような。その中で「信者の○○が死んだよ」みたいな話が始まったんです。
なので僕はちょっと殊勝な面持ちで悲しいような表情をしてたんですが、なんかゲラゲラ笑ってるんです。「ハッハッハッハ!」みたいな。
その説明している出家の人がハハハッって笑ってるから、聞いてるみんなもね、ニヤニヤしてて。
「あいつね、全然修行しなかったからね。死んで当たり前だし、もう人間に生まれ変われないよ」って言って、ホワイトボードに「人間」「×」とか書いてね。
すると「みんなもね、ちゃんと修行しないとね、もう人間に生まれ変われないからね。
今日ちゃんと修行するように」みたいな話が始まって、「怖っ!!!」って思いました。
寺嶋: 怖い!!
村田: やっぱりカルトだな、と。僕も潜入とはいえ、ずっと入ってるとなんかそこ自体に慣れてくるわけですよ。
人間関係もできてくるし、そこまでおかしくないのかなと思い始めてたけど、やっぱりそれ聞いた時に、なんか根底的にどこか違うなって思いました。
すごく優しくて、良い人で真面目な人たちなのに、どっかすごく外れちゃってるなみたいな部分が出てきてて。
多分その人たちも徐々にそうなってきちゃってると思うんだけど、そういう風になっちゃうと、なかなか元に戻るの難しくなるから大変です。
寺嶋: 取り込まれそうになった瞬間とかないですか。
村田: あんまりないんですけど、自己啓発セミナーとかに入ると徹底的に教育されるので、信じてなくても、なんか体が動くようになっちゃったりとかはありました。とにかく「○○やりたい人」って言われたら、「はいはいはい!」って手を挙げないと怒られるから、手を上げるようになる。もう目ギランギランになって。出てきた後にみんなに「こいつ洗脳された」「ヤバい」って思われてましたけど、2週間ぐらいしたら覚めました。
洗脳と言っても信じてなかったら意外と数週間でパッて戻るし、北朝鮮とかに拉致されてた人も戻ってきたらすぐ解けたりしてたので、意外と解けるのはね、そんなでもないと思うんですけどね。
寺嶋: 習慣みたいな感じですか。
村田: 習慣で周りがそうだと、そうなっちゃう。
寺嶋: 同調圧力みたいな。
村田: そう、同期圧力。しかも自ら入っていってるんですよ。そこが問題だと思うんですよね。
エコーチェンバーっていう、自分の見たい情報だけ見れるっていう状態になっている。
普通にネットとか使っててもなるんですけど、それの最たるものですね。
情報に関して言えば、やっぱりどの宗教団体も外部からの情報摂取を非常に嫌うんですね。「ネットに本当の情報は載ってないですよ」とか「自分で考えないように」って言ったりするんですよ。
「必要なものは私が教えるので」「あなたたちはその邪悪なものから吸収しないように」みたいなことを、教祖自ら言ったりして。
こういう宗教団体多くて、そうなるともう、ますます外部から情報が入ってこなくなるので、気づきにくくなるし、出られなくなるってのはありますよね。
言ってることは正しいんだけど何かおかしい
寺嶋: なるほど……! あと作品の中で先生と生徒が囲んで歌うじゃないですか。そういう儀式的なものって結構あったりするんですか?
村田: もちろん宗教団体では当たり前のようにあるんですけど、動物愛護団体を取材したときにもありましたね。
動物愛護団体って、基本的には動物は殺さないでっていうのが主義主張なんですけど、そこは、イルカとかクジラを捕って食べてる地域に行って、そこで「クジラとるな」とか、そういう運動をしてるんです。生業立ててる人の前でそんなことやる時点でどうかなとは思うんですけど。
で、イルカを殺してる湾にその動物愛護団体の人が集まって「この湾は痛みに汚されてます」って言いまして。「でも、ここに北極の水があります」ってペットボトル持ち出してきて、「これはイルカたちが愛し合っている北極から持ってきた水です」「これを垂らすことによって、一滴でここの湾が浄化されます」って言いながらその湾にジョボジョボジョボジョボと注いで「今癒されていまーす」と。
そのあとみんなでろうそく持って「オーン、オーン」って歌って、もう「宗教やないか!」っていうのはありましたね。だいぶでした。
寺嶋: すごい。そういう現場って結構、見られるものですか?
村田: デモ運動は「やります」って宣言しているので、そこに行けばやってますから見られますね。そういうのが結構多いですよ。
だから(この映画も)多分、そういう取材もしてると思うんですよね。
あんまり動物愛護については語ってはいなかったですけど、多分取材はしてるよなと思いました。
とにかくビーガンっていうのは、もうとにかく卵と牛乳がダメなので、動物性のものしか吸収できない人とかだとちょっとやばいんですよね。
子供とかも爪が割れちゃったりとかね、成長が止まっちゃったりするので良くない。でもそこはね「不健康になっちゃダメ」とかいう考えはないし「不健康になってもいいじゃん」なんですよ。
だってそれで動物たちが救われるんだもん。世界が良くなるんだもんっていうね。ある意味正しいのかもしんないけど。
寺嶋: 合ってるような、合ってないような。
村田: そう。だから、いいこと言ってたりすることがあるんですよ。
だから、いいこと言ってるやつの話を信じると痛い目見るよっていう。(笑)
寺嶋: そうですね、この映画も、最初は「ちゃんとゆっくり噛むように」とか「そんなバクバク食べないで」っていうのは、これ合ってることですよね。けど、結局なんか「食べない」っていうところから、平気で捨てちゃうからすごい本末転倒に。
村田: (笑)捨ててるよね。
寺嶋: だけど、でもそこに違和感は抱かないんだと思って。
村田: なんかどっか(心の底)では抱いてるのかもしれないけど、多分押し殺しちゃうんだと思うんですよね。
たとえば仕事の時とかでも「あれ、これおかしいよな」と思ってるけど、なんとなく上司に言われたからとかで抱えちゃってる部分とか、みんなあると思うんですよね。
寺嶋: そこはもうみんな一緒ですね。
村田: そうそう、一緒だと思います。
──ありがとうございます。それでは、これにて終了させていただきます。村田らむ様、寺嶋夕賀様、ありがとうございました。
■クラブゼロ
出演:ミア・ワシコウスカ
脚本・監督:ジェシカ・ハウスナー
撮影:マルティン・ゲシュラハト
2023 年|オーストリア・イギリス・ドイツ・フランス・デンマーク・カタール|5.1ch|アメリカンビスタ|英語|110分|原題:CLUB ZERO|字幕翻訳:髙橋彩|配給:クロックワークス
Ⓒ COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH
BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINÉMA 2023
公式サイト:klockworx-v.com/clubzero/
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