
エンターテインメントに特化した世界最大級の動画配信サービスを提供するNetflix。そんなNetflixの2025年配信タイトルから注目作を紹介するラインナップ発表会「Next on Netflix2025」が開催された。


イベントは、Netflixコンテンツ部門バイス・プレジデントである坂本和隆のプレゼンテーションからスタート。Netflixは「想像を超えた物語」を届けるために、「驚き」「ユニークさ」「大胆な発想」を大切にしながら、今まで観たことのないシリーズや映画、アンスクリプテッドの制作に取り組んできたことの説明からはじまり、多くの人を惹きつける作品には「魅力的で心に残るキャラクター」が存在が欠かせない、と語られた。最後に、「10周年のアニバーサリーイヤーである2025年は、最も驚きに満ち、最もユニークで、最もワクワクする年となるでしょう」というメッセージで締め括られた。


2024年のラインナップ紹介パートでは、シリーズ作品から「グラスハート」「ソウルメイト」「今際の国のアリス」シーズン3、「イクサガミ」、このたびタイトルが決定した「匿名の恋人たち」。映画作品からは『新幹線大爆破』の映像が初公開された。
【映画】

続く、【映画】パートに登壇したのは『新幹線大爆破』の樋口真嗣監督。進行を務める同作品のエグゼクティブ・プロデューサーであるNetflixコンテンツ部門の佐藤善宏とは『シン・ゴジラ』も一緒に作りあげた旧知の仲。
『新幹線大爆破』の原作は、1975年に佐藤純彌監督による同名映画作品。映画『スピード』の元となった作品に対し、樋口監督は深い思い入れを抱いている。「小学3年生の時に初日に観に行って以来、50年間好きな作品です。レーザーディスクのジャケットデザインも手がけさせていただいたことがあり、人生で選ぶ3本の映画のうちの1本に入るほどです」と語る。

この作品は樋口監督にとって映画の原体験ともいえる存在であり、そんな作品をNetflixでリブートしようと決意した背景には、プロデューサーの佐藤氏からの強い働きかけがあった。「佐藤プロデューサーは、走り出したら止まらない馬力のある人物です。50年前に困難と言われた題材に挑み、無理を承知で作品を作り上げたように、現代でもこれを再び映像化することが可能なのか、という挑戦がありました」と樋口監督は語り、単なるリメイクではなく、令和の時代に合わせて再構築するというリブート作という意義のもと、プロジェクトは進められたことが明かされた。


また、物語の核となる犯罪のあり方も現代に合わせて見直された。たとえば、身代金目的の犯罪は、現在ではほとんど見られなくなっているため、今の世の中に通じる犯罪とは何かを考え直す必要があったという。さらに、新幹線の運行本数が増えたことを踏まえ、爆弾が仕掛けられた車両だけでなく、他の車両への影響も徹底的に調査し、物語に反映させた。その結果、舞台を令和の日本に移し、「盛岡発東京行きの、新幹線はやぶさ」という設定へと大きく変更された。
主人公 車掌・高市を演じる草彅剛と樋口監督は、『日本沈没』以来20年ぶりのタッグ。「草彅さんが他作品で素晴らしい演技をするたびに、自分が撮れないことが悔しかった」と明かし、久々の共演に感慨深い様子。また、草彅の演技について「20年分の人生の深みが加わり、鉄道人としての耐える芝居が印象的だった」と絶賛した。さらに、あるアクションシーンでは無理をさせたことを謝罪しつつも、草彅氏がその要求に応えてくれたことに感謝を述べた。
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