男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】

39歳、シングルで息子を育ててきた



女手一つで…(写真:iStock)

 絢子さん(仮名)は39歳のシングルマザー。10年前に離婚をして以来、恋人がいた時期もあったものの基本的にはシングル生活を謳歌し、ひとりで息子を育ててきました。

 半年ほど前に現在の恋人である2歳年上のトシキさん(仮名)と友人の紹介で出会い、交際をスタート。しかし絢子さんは今、トシキさんの恋愛への姿勢について強い疑問を抱いているのだとか…。

「トシキさんも過去に結婚をしているので、友人から『バツイチ同士だから、気楽に付き合えると思うよ』と言われて紹介されました。

 確かに一緒にいてバツありの部分に負い目を感じることはないので、そういう意味では気楽ではあるんですけど、付き合って半年ほど過ぎて、彼の嫌な面がやけに気になってしまって…。

 端的に言ってしまうと、信じられないくらい“レス交際”なんです」

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淡白すぎる関係が不満



信じられないくらいレス(写真:iStock)

 絢子さんは、恋人関係にあるならば定期的に体を重ねたいし、普段からイチャイチャして過ごしたい派とのこと。

 しかしトシキさんは「お互いがバツありだし、変に深入りしてまた傷つけあうのも嫌だから、なるべく淡白な関係でいよう」と絢子さんに告げてきたのです。

「その時点で、なんか変な理屈だなって気はしていたんですけど…、実際、お泊まりデートをして腕枕はしてくれても、体を重ねるところまでは進まないんですよ。

 まぁ彼なりに私を抱かない理由は説明してくれているつもりなんでしょうけどね、“バツありだから深入りしない”って言われても、じゃあなんでお付き合いしているの? って感じがしませんか」