mixiでの呼びかけに、応答があったのは2人だけだった。 当然だろう。そこはもう誰もいない公園なのだ。あの頃は行けば必ず誰かがいて、楽しくみんなで遊ぶことができていたのに。 当時常駐していたコミュニ...
「意地悪な幸せ」を噛みしめる理由は…
2人の生活を想像して、ニヤニヤしてしまう(写真:iStock)
世界に足を踏み入れて分かったのは、芸人の男の子は、芸人の女の子を恋愛の視界に入れていないということ。戦友や飲み友から交際に至った芸人カップルはいれど、芸人の男の子と芸人の女の子同士の合コンなんてなかった。
同期の友人に合コンを頼んでも、その芸人の地元の同級生やバイトの友人とばかり合コンをさせられた。
…ただ、そのうちの1つで出会ったのが1歳年下の今の夫なのだけれど。
『了解。ひさびさに会えるのたのしみ』
スマホを手にしてニヤニヤしていると、夫が私の顔を訝しげ見ていることに気づいた。愛が溢れる不安げなその視線――大丈夫、そんなんじゃないから。
子どもたちの笑い声の中で、私は意地悪な幸せを嚙みしめた。
【#2へつづく:早稲田卒、商社OLの私は「貧乏な夢追い人」とは違うの。誰よりも高い“現在地”は私だよね?】
(ミドリマチ/作家・ライター)