寒暖差が激しい季節は、いつもと同じように睡眠時間を確保したつもりでも、なんだか疲れてしまいがち。そんな「寒暖差疲労」を「毎年のことだから」「気候が安定したら治るから」と放置していないでしょうか。寒暖差疲労を甘く見ると、大きな支障を招く恐れがあります。 この記事では寒暖差疲労の原因や症状、放置するリスクを紹介します。そのうえで、寒暖差疲労への対処法を紹介するので、季節の変わり目に疲労感を覚えた際の参考にしてください。

3. 寒暖差疲労を放置するとどうなる?

 寒暖差疲労は、季節の変わり目などの気候が不安定な時期に起きやすいものです。だからといって、「気候が安定したら症状が治まるはず」「毎年のことだから大丈夫」と放置してはいけません。寒暖差疲労を放置した場合のリスクを2つ紹介します。

3-1. 気候が安定してもからだの不調に悩まされる



肌トラブルが…(写真:iStock)

 寒暖差疲労を放置すると、気候が安定してからも慢性的な自律神経失調症に悩まされるリスクがあります。気候が安定しても肩こりやだるさ、からだの冷えや睡眠不足などが起きるかもしれません。

 自律神経が乱れると、体調が崩れるだけではなく肌荒れや肌の乾燥などの肌トラブルにもつながる恐れがあります。肌は、夏にはエアコンや紫外線、冬には乾燥など外部からの刺激を受けバリア機能が弱まりやすい部位です。そうした肌トラブルを避けるためにも、寒暖差疲労による自律神経の乱れに対処してください。

3-2. 更年期症状の重症化



更年期症状が悪化するかも(写真:iStock)

 女性の場合、寒暖差疲労の放置が原因で更年期症状が重症化するリスクがあります。更年期とは閉経前後の5年間、計10年間を意味しています。日本人の場合、45~55歳が平均的な更年期です。

 更年期になると、イライラや多汗、ホットフラッシュやめまい、食欲不振や不眠などの症状に悩まされます。これらの症状は、自律神経の乱れが原因のひとつであるといわれています。

 更年期は女性ホルモンの分泌量が減少することによって、自律神経のバランスが崩れやすくなる時期です。寒暖差疲労などの原因で自律神経のバランスが崩れているまま更年期を迎えると、さらに自律神経が乱れて更年期症状が重症化する恐れがあります。

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4. 寒暖差疲労への対処法

 放置すると、単なる疲労感や倦怠感だけではなく、肌トラブルや更年期症状の重症化にもつながりかねない寒暖差疲労。ここからは寒暖差疲労への対処法を3つ紹介します。

4-1. 服装の工夫



カーディガンが便利(写真:iStock)

 寒暖差が激しい時期は、気温の変化に対応できるように重ね着をするのがおすすめです。寒さを感じたときにすぐ羽織れるよう、持ち運びやすいカーディガンなどを活用してください。

 夏が近づいてくると、エアコンによる寒さを感じるときもあるので、その場合もカーディガンを活用してくださいね。

 屋外だけではなく、屋内にいる場合も気温の変化に対応できるようにしてください。重ね着が難しい場合は、エアコンの風向きに合わせて座る位置を調整するのもおすすめですよ。

4-2. 生活習慣の見直し



バランスのいい食生活を(写真:iStock)

 自律神経のバランスを保つためには、生活習慣の見直しが大切です。季節の変わり目は忙しさから生活習慣が乱れる人が多いですが、規則正しい生活を心がけてください。

 気分転換にウォーキングやジョギングを行うなど、適度な運動習慣をつけることも自律神経のバランスを整えるために効果的ですよ。

 食事の栄養バランスを見直すことも、自律神経のバランスを整える方法のひとつ。栄養バランスの整った食事を摂り、からだの免疫力を高めましょう。

 とくに、赤身の魚やヒレ肉に多く含まれるビタミンB群、ナッツや緑黄色野菜に多く含まれるマグネシウムを意識して摂取してください。

4-3. 漢方薬の服用



漢方で整えてみて(写真:iStock)

 忙しくて生活習慣の改善が難しい場合は、飲むだけで効果が期待できる漢方薬の服用もおすすめです。自律神経の乱れには「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「消化・吸収機能を改善してからだを元気にする」「ホルモンバランスを整える」といった漢方薬が選ばれます。

<寒暖差疲労対策におすすめの漢方薬>

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血液の流れを改善することで、のぼせや手足の冷え、頭痛や肩こりなどの症状を改善します。

・加味逍遙散(かみしょうようさん):自律神経のバランスを整えることで、不安やイライラ、ホットフラッシュなどの症状を改善します。



(C)コクハク

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