3.骨折の予防法
3-1.骨密度を低下させない食事
骨の形成に関係する栄養素を摂りましょう。
骨密度の低下を防ぐ主な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKになります。
3-1-1.カルシウム
カルシウムは、骨を作る重要な栄養素です。
75歳以上の方のカルシウム摂取量は、男性700mg、女性600mgが推奨されています。
【カルシウムを多く含む食品】
牛乳、チーズ、いわし、さんま、大豆、緑黄色野菜 など
3-1-2.ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。
主に魚介類に多く含まれます。
また、食事を取らなくても、日光に当たることで皮膚からビタミンDは作られます。
そのため、散歩などで日光を浴びることも大切です。
【ビタミンDを多く含む食品】
鮭、うなぎ、さんま、まぐろ、しいたけ、きくらげ、しめじ など
3-1-3.ビタミンK
ビタミンKは、カルシウムの吸収を助け丈夫な骨づくりに関わる栄養素です。
油に溶けやすい性質を持っているため、油を使用した料理で吸収が促進されます。
【ビタミンKを多く含む食品】
納豆、油揚げ、卵、ほうれん草、アスパラガス など
一方で、アルコールやカフェイン、さらにリンを多く含む加工食品は、過剰摂取を控えるべき食品です。
3-2.転倒防止のための運動
転倒予防に有効な筋肉である、お尻と太もも(前後)、ふくらはぎのトレーニングが大切です。
また、下半身だけでなく、上半身も鍛えることで体のバランスが安定します。
ここでは、家にあるもので簡単にできる体操を3つ紹介します。
ぜひ実践してみてください。
3-2-1.柔軟性をアップするタオル体操
タオル体操は、筋肉の萎縮を予防し柔軟性がアップする効果があります。
タオルの端を両手で持ち、横向きに振ったり、縦向きに振ったりしましょう。
3-2-2.新聞紙体操で指先の運動
新聞紙をちぎることで、指先や握力の機能訓練ができる体操です。
新聞紙を用意し、複数人で行います。
ひとり一枚の新聞紙を、制限時間内に何分割にできるか競いましょう。
この時、「両手で」「片手で」「親指と人差し指で」のように制限することで身体の多様な場所を動かせます。
制限時間は、1分から2分程度が目安です。
3-2-3.転倒予防になるペットボトル体操
ペットボトルで転倒の予防ができる体操方法です。
まず、水を少し入れた500mlのペットボトルを寝かせておきます。
そのペットボトルを、片足だけを使い起き上がらせましょう。
この際、ペットボトルを5つほど用意し、何秒で全部起き上がることができたか測るのがおすすめです。
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3-3.住居環境の整備
住居環境の整備も欠かせません。
階段や廊下、トイレ、浴室などに手すりの取り付けや玄関や浴室などの段差や傾斜を解消、滑りの防止のため床の張替などが必要になります。
ご自宅の中でどこに問題があるか確認しましょう。
また、介護保険の制度には在宅介護に必要な住宅改修費が含まれています。
これは、介護のための住宅改修を支援する仕組みです。
上記に挙げた住宅改修を行う場合、工事費用の7~9割が支給されます。(上限20万円まで)
〇介護保険の対象となる主な6つの工事
手すりの取り付け
段差の解消
滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
引き戸等への扉の取替え
洋式便器等への便器の取替え
その他上記の住宅改修に付帯する工事
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4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
高齢者が骨折しやすい原因は、転倒しやすいこと、ロコモティブシンドローム、骨粗しょう症の3つが挙げられます。
高齢者は、免疫力や回復力が低下していることが多く、完治には時間がかかってしまいます。
骨折をしてしまう前に、できる対策を行いましょう。