『七つ森』に来たら食べたい。身体に沁みる「野菜カレー」
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最初はコーヒーと軽食のみのメニューだったという『七つ森』。しかし、時代の変化と共に食事も提供するように。80年代ごろには「自家製のカレー」や「オムごはん」をメニューに追加。現在のような多種多様な品揃えになりました。
自家製カレーは「野菜カレー」、「キーマカレー」、「ココナッツカレー」の3種類で、どれも本格派。複数のスパイスを使い味に深みを加えるだけでなく、食材にこだわった『七つ森』のカレー。使用する野菜は学生時代からの縁で、無農薬の野菜のみを栽培する農家から送ってもらっているそう。
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「野菜カレー」は季節の野菜が使われ、きりっと辛口。食べると野菜の歯ごたえがあり、素材本来の優しい甘さを感じられます。また『七つ森』の個性を感じられるのが、材料に大根が入っているところ。気付かずに食べると一瞬、これはなんだろう?となりますが、噛めば噛むほど出汁が感じられて、どこか懐かしい味わいです。
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『七つ森』っていったい?描かれたフクロウは何者?
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気になるのが『七つ森』という店名と、看板にも描かれているフクロウについて。
伺うと、『七つ森』とは店主が愛読する宮沢賢治の詩集の中に登場する土地の名前なんだとか。実際に“七つ森”は岩手県・盛岡市にあり、秋田街道沿いにポコポコと顔をだす7つの山からその名が付いたそう。
そしてフクロウは、店主が偶然手に入れたアメリカの童話『Owl at Home』の主人公であるフクロウから着想を得たものとのこと。著者は、国語の教科書にも起用された『ふたりはともだち(原題:Frog and Toad Are Friends)』で知られるロサンゼルスの作家アーノルド・ローベル。ちょっとおとぼけな主人公・フクロウの日常が描かれた本作品。物語に漂う居心地の良さは、喫茶『七つ森』で過ごす時間に似ています。
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大学は立命館大学に通い、学生運動にも積極的に参加していたという店主。この時の経験が自分の基盤になっていると、取材の最後に語ってくれました。
店主「学生運動をしていたときは、高速回転する日本の開発状況に疑念を抱き、早くから健康被害やフードロスなどの環境問題に深い関心がありました。そんな思いが、『七つ森』をオープンするきっかけになったと思います。現在も初心を大切に、美味しくて、当たり前に安心安全であるものを提供し続けたいと思っています」