40代の貯蓄額はどのくらい?老後に備えた貯蓄を始めよう

働き盛りの40代、二人以上世帯の平均貯蓄額は942万円です。今は不自由のない生活でも、老後の生活に備えるとなると、少しでも早く貯蓄を行っておくことが重要です。そこでこの記事では、家庭状況別に詳しい貯蓄額をご紹介したのち、老後に必要な貯蓄額の目安や貯蓄のためにやるべきことなどを解説いたします。

40代のライフステージで必要となる支出とは

貯蓄をしなければならない一方で、40代にもなるとライフイベントに応じてさまざまな支出が必要となってくるのも事実です。総務省が発表している「家計調査 家計収支編(平成30年)」を元に、世帯別に何にどのくらいの支出があるのかを確認してみましょう。

※1:自動車維持費含む

上記から、35~59歳では主に食費や交通・通信費での支出が多いことがわかります。特に二人以上世帯では交通・通信費が高くなっていますが、その半分以上を自動車等関係費が占めていることから、車の買い換えなどを行うのが理由だと考えられます。

また二人以上世帯では、教育費・教育娯楽費での支出も多く、これは子供が高校や大学などに進学することで支払う教育資金が増えているためでしょう。

【参考】総務省「家計調査 家計収支編 単身世帯 <品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額(平成30年)」詳しくはこちら
【参考】総務省「家計調査 家計収支編 二人以上世帯 <品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額(平成30年)」詳しくはこちら

(広告の後にも続きます)

老後のために必要な貯蓄額とは

先の項目では40代の貯蓄や負債、支出を確認しました。それでは老後のために、いったいいくらの貯蓄が必要なのでしょうか? 老後に必要な貯蓄額は、60歳以上で必要な生活費と受け取れる年金の差から計算することができます。

まずは生活費から確認していきましょう。先ほどと同様に「家計調査 家計収支編(平成30年)」を参考にすると、世帯別の「無職・60歳以上での毎月の支出」は以下のとおりです。

単身世帯:16万円
二人以上世帯:27万円

続いて、老後の主な収入である年金について確認してみます。厚生労働省年金局が発表している「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金・老齢年金(国民年金+厚生年金)の平均額は以下のとおりです。

国民年金:55,615円
老齢年金(国民年金+厚生年金):147,051円

上記の結果から、老後20年間で必要な貯蓄を計算してみると、以下のようになります。

単身世帯:
(支出額16万円-収入額(老齢年金)15万円)×12か月×20年=240万円

※国民年金のみの場合:(支出額16万円-収入額(国民年金)6万円)×12か月×20年=1,440万円

二人以上世帯(サラリーマン+専業主婦)
(支出額27万円-収入額(夫の老齢年金+妻の国民年金)20万円)×12か月×20年=1,680万円

※国民年金のみの場合:(支出額27万円-収入額(国民年金)6万円×2)×12か月×20年=3,600万円

上記は、あくまで平均値から計算した目安となります。「公益財団法人 生命保険文化センター」の2019年度の調査によると、老後二人でゆとりある生活を送るには毎月36万円が必要だといわれているため、これを参考にすると支出がより増えることが考えられます。

さらに、医療費・介護費・緊急予備資金などとして500万円~1,000万円程度、別に貯蓄しておくと安心です。一方で、上記では収入源を年金のみと仮定しましたが、職場によっては退職金が支払われることもあります。その分を貯蓄に回せることも考えられるので、ご家庭に必要な貯蓄額はそれぞれ計算してみることをおすすめします。

【参考】総務省「家計調査 家計収支編 単身世帯 <用途分類>1世帯当たり1ヶ月間の収入と支出(平成30年)」詳しくはこちら

【参考】総務省「家計調査 家計収支編 二人以上世帯 <用途分類>1世帯当たり1ヶ月間の収入と支出(平成30年)」詳しくはこちら

【参考】厚生労働省年金局「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 詳しくはこちら

【参考】公益財団法人 生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査(速報版)」詳しくはこちら