日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。

「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸で花に携わってきた谷中直子がご紹介いたします。

毎月、旬の雰囲気を楽しめる花をピックアップして最後の一輪まで楽しみつくす、そんな花のあしらいのお話です。

2024年1月20日から二十四節気は大寒に

大寒(だいかん)とは、二十四節気最後の節気。

次の立春から新しい節気の一年が始まります。

また大寒の字の通り、一年で最も寒さが厳しい時期でもあります。

そんな冬の終わりに選んだ花は「フリージア」

春の花でありながら、凛としていて、どこか少し冷たい空気も感じるフリージアは、この季節にふさわしいと花だと思います。

寒さが厳しいこの時期に、香りのよいフリージアを飾って、ひと足はやい春の気配をお部屋に取り入れましょう。

冬の終わりと春の始まりの穏やかさを表現

フリージアの最大の特徴は何といっても香りではないでしょうか。

金木犀(きんもくせい)にも似た、エレガントで甘い香りを漂わせる、すらりとした姿がスタイリッシュな春の花です。

今回選んだ品種は、フリージアと言えばこちら!代表的な品種である黄色の「アラジン」と、花びらが重なり合う白い八重の花「エッセンス」

黄色と白のフリージアを別々の器をつかい、高低差を付けて光の方に傾けていけました。

凛とした冬の寒さの中に感じる、春の穏やかさを表現しています。

フリージアは花の向きがはっきりとしているので、自分がいけたい形にフィットするものや、好みの向きのものを花屋さんで選ぶとプロっぽい仕上がりになると思いますよ。

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ざっくりとナチュラルにいける

今度は色の違うフリージアを一つにまとめてざっくりと。

ピッチャーのようなカジュアルな器にいける際は、あまり作りこみ過ぎず、ざっくりいけた方がまとまりやすいと思います。

また、このような非対称の器にいける時は、花も左右対称のバランスでいけるよりも、ハンドルとは逆の方向に花を傾けたほうがバランスよく仕上がりますよ。