私たち、実は…

母と私の申し立てに圧倒されていた店長が、苦し紛れに絶叫。「偉そうに言ったって、あんたらはただの客。素人は何もできやしないだろ!」

私たちはフフッと笑って顔を見合わせました。

「申し遅れましたが、私は弁護士です。娘は私の法律事務所の助手。専門は労働問題ですよ」

そうなんです、私が合格を目指している資格試験とは、もちろん司法試験。条文がスラスラ出てくるのも努力と実務を積み上げているから。真っ青になった店長を放置して、私たちは労働基準監督署に通報したのです。

その後ピザ屋は行政指導を受け、最低賃金との差額を支払うことに。店長が競馬やパチンコに熱中して負債を抱え、低賃金で働かせていたことが発覚し、罰金も科せられました。お店は休業となりましたが、従業員は公共職業安定所などからそれぞれ次の職場を見つけられました。

一方スティーブさんは、父が経営する寿司屋でアルバイトをスタート。日本で起業という夢のために頑張っています。私も彼に負けないよう、司法試験に合格しないと! と気を引き締めています。

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低賃金での労働者の搾取は違法、犯罪です。さすが弁護士とくれば、黙って見逃すはずがありません。悪質な雇用者を取り締まることができ、真面目にアルバイトを頑張る人たちが救われて本当によかったですね。

著者/ウーマンカレンダー編集室/スカッと
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