現在36歳の私は、小さな会社で事務員として働き、これまで彼氏ができたことはありません。というのも、12歳下の妹を育てることに青春のすべてを費やしてきたのです。もちろん父も祖母も健在ですが、会社を経営していたため仕事で多忙。実質私が母親の代わりに20年面倒を見てきたのですが……。

23歳になった妹は?

成人してからもう数年。私が一生懸命育てた妹は、わがまま放題のニートになってしまいました。

「今さら就職なんて面倒。おばあちゃんのお小遣いがあるから、働かなくても困らないし」と、寝転がって平然と言ってのけるのです。

「おばあちゃんも高齢だし、永遠にいてはくれないよ……」と言っても、「それはそれでラッキーじゃん。遺産ガッポリだよ」と笑い飛ばすありさま。

「でも遺産は姉妹で折半でしょ? だから今のうちに絞り取らなくちゃ」とまで……。私は心が冷えるような気持ちになりました。妹がこうなってしまったのは、私の育て方が悪かったから? 母が他界した当時、私は15歳。炊事洗濯家事に妹の世話で忙しく、とても彼女の情操教育まではできませんでした。

父や祖母も、3歳で母親を失った妹がふびんで、怒ったり叱ったりできず甘やかしてしまったのです。その結果、妹は贅沢三昧(ぜいたくざんまい)のわがままっ子に……。私はどうしたら良いかわかりませんでした。しかし転機は突然訪れたのです。

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縁談が決まるも不安は倍増

それは、妹に降って湧いた縁談。お相手は祖母が取引をしている会社の跡取り息子だとか。孫娘を案じた祖母が相談し、その流れでトントン拍子にまとまりました。

私は、妹の幸せを願いつつ、彼女が結婚して家を離れたら、もう私も母親役をする必要はない。今まで諦めてきた自分の夢や楽しみを探せるかもしれない……。そんな期待を抱き始めました。

しかし、式の準備が進むにつれて新たな不安が胸をよぎりました。なんと妹は、王侯貴族かというほど豪華な結婚式を計画したのです。資金源はもちろん祖母。しかも式だけではなく、一等地の大きな戸建てに最高級の家具や家電を所望。さらに独身最後だと言って、毎晩パーティーを開いて遊び回る始末です。私はさすがに黙っていられず、妹を止めようとしました。

「いいかげんにしなさいよ。それはおばあちゃんのお金でしょう?」

「あーもう、母親面して偉そうにしないで! あんたに世話になった覚えはないし、頼んでもいない!」