結婚式の当日に…

妹から心ない言葉を投げつけられて、大ショックを受けた私。それでも1カ月後の結婚式が来ました。喧嘩をしたとはいえ、実妹の結婚式に出ないわけにもいきません。それに、私にはまだ淡い期待がありました。あの妹だって、さすがに当日には感謝の言葉をかけてくれるのでは、と……。しかし式場に入った途端、その期待はあえなく打ち砕かれました。

なんと、会場には私の席がなかったのです。親族用のテーブルには父や祖母や親戚がすでに座っているのに、私の席はありません。そこに出てきたウェディングドレス姿の妹は、私を見下すように一瞥(いちべつ)すると、にべもなく宣言したのです。

「何あんた、ノコノコ現れたのね。見ての通り、あんたの席はない。偉そうに母親面されたら迷惑だから、帰ってよ!」

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祖母が怒りの鉄つい!

それを聞いていた祖母は、静かに席を立って妹に言いました。

「お姉ちゃんが帰るなら、私も帰る。たった1人の姉をないがしろにして追い出そうとする女の結婚式なんか出たくないからね」

すると、資金源に見放されたくない妹は、慌てて引き留めようとしました。「おばあちゃんはいてよ~。かわいい孫の晴れ舞台でしょ! おばあちゃんが引き合わせてくれた縁じゃない!」

しかし祖母は続けました。「あんたのためじゃない。ダメ妹がそばにいたら、お姉ちゃんが自分の人生を送れなくなってしまうから。あんたを嫁に出してお姉ちゃんを解放してやろうと思ったんだ」

それからね、と祖母はコホンとせき払い。「私の全財産はお姉ちゃんに譲ると遺言書を書くよ。あんたには、これまでの多額のお小遣いに加えてこの結婚式と新居の費用、独身最後の遊興費、十分すぎるほど渡してきたからね」