私は52歳の主婦。早くに結婚、出産したため、息子はすでにひとり立ちし、現在は夫婦2人だけの生活を送っています。夫は基本的にはやさしいのですが、やや昔気質で男尊女卑の思考を持つ人。子どもが巣立ってからは特にその考えが顕著となり、今では「こんなこともできないのか」がすっかり口癖に。そんな夫が自分の考えを改めるきっかけとなったのは……?

男尊女卑の考えの夫は口を開けば文句ばかり





思えば、結婚当初から夫は「家庭では男が一番偉い」と思っているタイプでした。私が息子を妊娠し、つわりに苦しんでいたときのこと。夜遅くに、夫が同僚を数名引き連れ、何の連絡もなく帰ってきたのです。開口一番、夫が私に言ったのは「ちょっとつまめるものを作ってくれ」でした。

妊娠中で体調も優れず、正直気が進みませんでしたが、夫に恥をかかせてはいけないと、吐き気に耐えながら人数分のおつまみを完成させた私。ですが、夫からは感謝の言葉1つもありません。結局深夜2時に彼らが帰るまで、私は飲食店の配膳係のように働かされたのです。

ですが、こんなのは序の口。夫には「家事は妻がやるもの」という固定概念がしっかりと根付いています。自分では何もしないくせに「総菜は買うな」だの「布団は毎日干せ」だの好き勝手言い放題。

「たまには手伝ってよ」私がそう言うと「俺はお前と違って外で働いているし、家事なんて誰でもできる仕事だろ」と夫。そんな夫ですから、もちろん育児をしてくれることもありませんでした。子どもが体調を崩したときも、骨折で入院したときも、世話をするのはすべて私。このような夫の言動にイライラさせられることは多々ありましたが「子どもの前で喧嘩したくない」と思っていた私はグッと我慢し、妻として、母としての役割を果たしてきました。

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ふと頭に浮かぶのは「離婚」の2文字

ところが、私たち夫婦の緩衝材になっていた息子がいなくなったことで、これまで我慢できていたことがウソのように私は夫へのイラ立ちを感じるようになったのです。加えて、夫の発言もヒートアップ。パソコンの設定がわからず困っていたときは「何でそんなこともわからないの? 」と言い、ちょっと魚を焦がせば「こんなこともできないのか……」とポツリ。もう子どももいないため、誰の目を気にすることもなく夫とも喧嘩はできるのですが、夫は弁が立つ人です。結局言い負かされるのが目に見えています。

そのうち私は夫と口を利くのも嫌になり、次第に会話は激減。「離婚」という2文字すら頭をよぎり始めました。

そんな中、遠方に住む息子から久しぶりに帰省するとの連絡が。息子は30歳で働き盛りですが、まだ独身。忙しい中で、炊事や掃除、洗濯などすべて自分でしなければなりません。「さぞ大変に違いない」と、私は親バカかもしれませんが「実家にいる間は精いっぱい甘やかせてあげよう」と考えていました。