息子の核心を突いた発言に返す言葉がない夫

ところが帰ってきた息子は、実家にいたころよりも随分しっかりしており、夫のように食べた食器をそのままにするでもなく、片付けや掃除などを積極的に手伝ってくれます。「ゆっくりしてていいのよ」と私が声をかけると「母さんのほうが、いつも家のことばかりで大変だから。それにたまには親孝行させてよ」とうれしいセリフまで飛び出す始末。

そんな息子を見て夫は「家事くらい、母さんにさせたらいいだろ。男はのんびりするもんだ」と相変わらずです。私は「いつものこと」と聞き流していたのですが、息子は夫のセリフが気に入らなかった様子。「“家事くらい”って言うからには、父さんは当然できるんだよね? そもそも家事は男だから、女だからという理由で役割分担するものではないでしょ。自分で自分のことをするのは大人として当然のこと。もちろん、父さんがそんなことすらわからないはずはないよね? 」と、ずっと私が夫に言えなかったことをズバリと言ってくれたのです。

息子の言葉を聞いて、夫は少し反省したのかもしれません。その後は言い返す言葉も見つからなかったのか、無言を貫きます。息子が帰宅したあとも「こんなこともできないのか」という、いつものセリフを聞くことはありませんでした。

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まとめ

今回、息子から言われたことが、夫の心には深く刺さったようです。それからというものは、私の「手伝って」に対して文句を言うことはなくなりました。

また、息子が夫にガツンと言ってくれたことで、私自身も「夫婦である以上、一方が我慢するのではなく、お互いが歩み寄れるように努力しなければ」と反省。「離婚」が頭から消えたわけではありませんが、こんなタイミングで息子が帰省し、私の気持ちを代弁してくれたことには、何らかの意味があるのではと感じてしまいます。もう一度夫婦のあり方を見つめ直し、改めて夫と信頼関係を築いていこうと思えるようになった出来事です。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

マンガ/へそ

著者/いけがき いくみ(33歳)
不妊治療を経て結婚7年目に待望の第1子を出産。産婦人科で務めていた経験を活かして、寄せられた体験談をわかりやすく伝えられるよう執筆している。